2009年7月 8日 (水)

自分の歯科医院ホームページ作製中

やっというべきか、ようやくというべきでしょうか、現在、僕は自分の歯科医院のホームページを立ち上げようとしています。

これまで“歯医者さんの一服”を立ち上げ、ほぼ7年間にわたり続けてきましたが、ここでは自分の歯科医院の宣伝は全く行いませんでした。“歯医者さんの一服”では本名を隠し、ハンドルネーム“そうさん”で通してきました。理由は単純です。歯や歯の健康、歯の病気、治療のことをわかりやすく解説したり、一歯医者の行い、考えなどを紹介することで何かと行きづらい、敬遠したい歯医者を少しでも身近なものにして欲しい。そんな思いから立ち上げた“歯医者さんの一服”でした。自分の歯科医院のことは二の次で、少しでも多くの人に歯医者を身近に感じ、利用して欲しいという思いで日記を書き続けてきました。

ただ、周囲を見てみると多くの歯科医院がホームページを持つようになりました。自分の歯科医院の紹介や実際に行っている治療、中には相談窓口や予約の機能まで持っているホームページもあります。今や歯科医院のホームページは宣伝媒体の一種だけでなく、歯科医院の顔としての側面さえ見られるようになりました。このような時代の流れの中、自分の歯科医院のホームページが無いのも問題かもしれない。そのような思いが強くなった今日この頃、ようやく思い腰を上げて自分の歯科医院のホームページを立ち上げるようにしました。

実際にはある業者のサイトを利用して立ち上げようとしています。自分の歯科医院の紹介文や写真を撮影したりしながら準備をしていますが、おそらく最初のホームページはあまり大したものではないでしょう。それでも、まずはホームページを立ち上げ、マイナーチェンジを繰り返しながら、少しは見栄えのするものに仕上げていければと考えています。

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2009年7月 3日 (金)

電池が充電されていなかった・・・

夏が終わる10月初旬、僕は某所で市民向けの歯科関係の講演を担当することになりました。これまで学生の講義や同じ歯科業界の人たちに対しての勉強会や講演を行ったことはありましたが、全く歯科とは関係の無い方に対する講演は初めてで、非常に光栄なことだと思う反面、どうやって講演していけばいいのか頭を悩ませています。

一応、講演の概略をイメージしながら資料集めをしなければならないと思い、いくつかの専門書、業界雑誌、論文などを集めはしているのですが、どうも専門家や実物の写真撮影なども必要になってきました。そこで、何人かの専門家の方と会う約束をし、取材をすることになったのですが、昨日はそんな専門家の一人と会ってきました。

専門家の方には、僕が講師として市民向けに講演をする予定であり、そのための取材であることを申し出ました。この専門家は快く取材を引き受けてくれ、僕の疑問、質問に答えてくれたのですが、その中である器械を見せてくれました。これはなかなか貴重なものであると感じたともに、写真を撮りたい。専門家に写真撮影のことを尋ねると、遠慮なく撮って欲しいとのことで、僕は早速写真を撮ろうとしたのです。

ところが、ここで問題が起きました。持参したデジカメ写真機のスイッチを入れたところ、画面には電池がほとんどないという表示がされたのです。僕はびっくりしました。なぜなら、前日、僕は電池の充電をしていたつもりだったのです。ところが、実際には電池は充電されていなかった。理由はわかりません。充電器が故障していたのか?僕の充電の仕方が間違っていたのか?充電中、家族の誰かが充電器を引き抜いていたのか?いずれにせよ、充電していたつもりの電池が充電されていなかったのは事実。せっかくの撮影機会なのに電池が無い!

今更、目の前の専門家に電池がほとんど無いとも言えず、撮れる分だけ写真を撮る事に。結局、写真は5枚ほど撮れたのですが、もう少し余分にと思った瞬間、見事に画面は真っ暗になってしまったのです。

「もっと写真を撮らなくていいですか?」

「今日のところは、これで結構です。もし、この器械の説明用のパンフレット、写真などがありましたら、頂けますか?」

何とか専門家の人には目の前の器械の資料を後日もらうことでその場を後にした歯医者そうさん。それにしても、充電しなければいけない電池が充電されていないなんて、とんでも無いミスをしてしまったものです。実に情けない!

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2009年7月 1日 (水)

電話の声が聴こえません!

昨日、午後の診療開始前にうちの診療所に一本の電話がかかってきました。何気なく受話器を取り、うちの歯科医院の名前を名乗ったのですが何も返事がありません。

“あれっ、もしかしたらファックスかな?”

うちの歯科医院の電話はファックスも兼ねているのですが、ファックス特有の“ピィー”という高音は聴こえませんでした。直ぐに何か“モゴモゴ”という雑音が聞こえました。これは携帯電話からの通話に違いない。そう思った僕は何度も“もしもし、聴こえますか?”を繰り返し言ったのです。そうすると、“モゴモゴ”という雑音の合間から男の人の声が聴こえてきました。それも途切れ途切れで。

どうも通話状態がよくないのは確かなようです。しかも、“モゴモゴ”という雑音の合間から聞こえる声が気になって仕方がありません。

“○○です。歯が・・・・・・・。我慢・・・・・・。痛い・・・・・・・・。”

雑音の合間から聞こえる声から推測すれば、うちに歯科医院に来られたことのある患者さんのようでした。どうも何らかの歯に何らかの痛みや症状があり、診て欲しいということを言いたかった電話のようでしたが、どうしても通話状態が改善しません。そのうち、音が聴こえなくなり、受話器を置かざるをえませんでした。

念のために、うちの歯科医院の電話の状態を確かめたのですが、うちの歯科医院の電話は全く問題ありませんでした。受信も通話も問題なし。

通話相手がわからない以上、こちらから電話を掛けなおすこともできず、ひたすら再度電話を待っていましたが、その後、この方からの電話はありませんでした。

こちらとしては落ち度はないはずです。ちゃんと相手の言うことを聴き取ろうして何度も繰り返し聞きなおそうとしたのですが、聴こえたのは“モゴモゴ”という雑音と途切れ途切れの声のみ。

どんなことを伝えたかったのでしょう?それを考えると夜も眠れない・・・ことはありませんでしたが、う~ん、気になります!

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2009年6月30日 (火)

女子高生制服スカートに滴り落ちる汗

先週、近くの高校へ歯科検診に行ってきました。皆さんご記憶のことと思いますが、毎年この時期、全国各地の幼稚園から小学校、中学校、高校では定期健康診査が行われています。身長、体重といった体の測定から内科、眼科、視力検査、聴力検査などの中に必ず歯科検診が行われます。授業の合間にこれら検診が入り、体育館や保健室といった測定室に受けたことがあることでしょう。これら定期健康診査は基本的には6月30日までに行うことになっています。学校保健法施行規則により定められているのです。

今回の高校もそうした定期健康診査の一環として僕は検診医の一人として参加してきました。各学校には学校歯科医がいるのですが、1000人近くいる生徒を一人の学校歯科医が検診するのは何日もかかります。学校側としては、授業の合間に検診をするわけですから少しでも授業を無駄にしたくありません。一日で検診が済ませられるならそうして欲しい。このような状況から検診には学校歯科医だけでなく何人かの応援検診医が検診に参加します。地元歯科医師会では地元教育委員会と相談をしながら、会員の歯科医に対し、地元幼稚園、小学校、中学校、高校の歯科検診に参加する応援検診医を割り振っています。今回、僕は近くの高校への応援検診医として参加するのも地元歯科医師会からの割り振りのためでした。

さて、検診ですが梅雨の時期とはいうものの非常に天候に恵まれました。快晴だったのです。これは歯科検診にとっては非常に好都合です。なぜなら、暗い口の中を覗くのに外が少しでも明るいと検診しやすいからです。いつも診療する診療室では室内のライトのみならず、専用ライトで口の中を照らしています。非常に明るい環境で口の中を見ているわけですが、検診となるとそうはいきません。限られた明るさで口の中を見るのです。よく検診は体育館の中で行うことがありますが、これは検診医にとっては大変です。体育館の中は暗く、更に暗い口の中を見るのに四苦八苦します。

今回の検診では快晴で、しかも検診を行った部屋が白く明るい部屋でした。そのため、口の中が見やすく、普段見落としがちな所までも見ることができたくらいでした。

ただし、昼からの検診ということで気温が上がったこと。しかも、使い捨てグローブをしながら体温の高い高校生の口の中の検診ということで手の中が蒸せてしまい、時間が経過するとともに手は汗まみれ。汗まみれだけならまだしも、次第にグローブの袖の所から汗が滴り落ちてしまうのです。短時間で多くの生徒の検診を行う必要があるため、グローブを交換する暇がありません。汗を拭う余裕も無く、生徒の中には男子生徒のズボンや女子生徒のスカートの上に僕のグローブからの汗が滴り落ちてしまいました。僕としては非常に気になりました。いくら検診とはいえ、生徒たちの制服を汚してしまったわけですから。

申し訳ない!と思いながらも冷や汗ならぬ本当の汗をかき続け、ひたすら検診を行っていた歯医者そうさん。

そのうち、汗の量が多かったせいか汗が出なくなり、何とか検診を終えたのですが、それでも検診を終えた後、グローブの中には大量の汗が残り、僕の指先は風呂に入った後のようにふやけておりました。

初夏の検診は汗との戦いでもあります。

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2009年6月22日 (月)

先生という言葉は便利

今月から僕は某所で新しい仕事をし始めています。数ヶ月前に地元歯科医師会の上司から頼まれた仕事ではあるのですが、先々週から先週末にかけて数日間仕事をしてきました。仕事の詳細を書くことはできないのですが、そこでは他地区の歯科医師会の代表の方と一緒に仕事をするのです。

その組織では、僕は全くの新米です。右も左もわからない新人ですから末席で大人しくしながらの仕事です。仕事の内容を把握しながら少しでも早く新しい仕事を覚えようと必死でしたが、それ以上に気を遣うことがありました。それは、周囲の人たちが僕よりも年上だったのです。僕は今年43歳になったのですが、そんな僕が最も年齢が若いのです。大半の出席者は40歳代後半から60歳にかけて。如何にこの仕事が歯医者のベテランが多いかということがおわかり頂けるのではないでしょうか。新しい仕事に対するプレッシャーと周囲の先輩歯医者に対する気疲れからか、今朝は全く疲れが抜けないままの週明けとなっております。

そんな新しい仕事ではありましたが、改めて感じたことがありました。それは“先生”という言葉です。何せ僕は全くの新人です。周囲の人たちの顔と名前が全く一致しません。それぞれの出席者は名札がついてはいたのですが、やはり組織になじもうとすれば出席者の顔と名前を覚えながら、その人の性格や育ちなども見ていかないといけません。

僕が記憶力が良ければいいのですが、記憶力が悪い僕は一度や二度で人の顔と名前を覚えることが苦手。そんな時役に立つのが“先生”という言葉です。出席者は全員が歯医者の先生です。僕を含め歯医者は常日頃、周囲から“先生”と呼ばれています。ずっと“先生”と呼ばれていますから、“先生”という言葉に対して違和感がありません。

しかも、“先生”にはある程度の気遣いが含まれています。相手を立てるというニュアンスも含まれています。それ故、“先生”と呼ばれているといつのまにか自分が偉いと勘違いしてしまい、周囲に対して上から目線になってしますリスクはありますが、今回のような会議では非常に重宝します。全く顔を知らない出席者に話しかける時に、“先生”と話しかければ、どんな方でも嫌な顔をせずに相手をしてくれるわけですから。

冷静に考えれば異様なことかもしれません。けれども、歯医者の世界、いや医療や教育、法曹界、政治の世界でも言えることでしょうが、これら全く見ず知らずの業界人に対する“先生”という呼称は非常に便利なものであると、改めて感じた次第です。

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2009年6月18日 (木)

泣き落とし商売

「先生、こんなことを言うと情けないのですが・・・」

唐突に言い出したのはうちの歯科医院に出入りしている某歯科材料店の担当者B君。

開業歯科医院には必ずといっていいほど取引をしている歯科材料店があります。歯科治療に関わる器具、材料、消耗品などを扱うのが歯科材料店なのですが、各歯科材料店には歯科医院ごとに担当者がおり、定期的に契約している歯科医院をまわっては歯科医院で必要な器具、材料、消耗品などを尋ね、商品の手配をし、持参してくれるのです。

歯科材料店の役割はそれだけではありません。様々な歯科関係の情報を集め、契約歯科医院に伝えたり、商品の案内や講演会などの紹介などもしてくれます。

うちの歯科医院にも2社の歯科材料店と契約しているのですが、そのうちの一社の担当者がB君です。日頃から何かとお世話になっているB君。こちらの無理な注文や器具の調整、修理などにも嫌な顔一つせず取り扱ってくれています。

そんなB君の突然の申し出に僕は戸惑いました。

「この不景気でうちの歯科材料店も売り上げが落ちまして、正直言って大変苦しい状況になっています。いろいろと会社の中でも努力はしているのですが、その努力もかなり限界まで来ております。」

「それはよくわかるよ。どこの歯科医院でも経営に四苦八苦しているのが現状だから、歯科材料店もその影響を受けるのは必至だよね。」

「先生にはいつも大変お世話になっております。そんな先生にこんなことを言うのは申し訳なく思うのですが、どうか何か入用のものがありましたら、これまで以上に弊社の方へ注文をお願いしたいのです。厚かましいお願いであることは重々承知ですし、各歯科医院の先生方の経営状況も決して楽ではないこともわかっております。ただ、我々も生活がかかっているもので、何とかこれまで以上に今までのお取り先の先生方に何とかお力を貸して頂けないか、お願いにまわっている次第です。先生、何卒宜しくお願い申し上げます。」

深々と頭を下げ、よく見ると涙目になっているような表情のB君。

正直言って、うちの歯科医院も経営状態は決して芳しくありません。少しでも経費を見直そうと、いろいろな物品、器具、薬品等の見直しをしてきました。少しでも経費を安くしながらも、金をかけなければいけない部分もあります。そのバランスが難しいのですが、以前と比べれば契約をしている歯科材料店への注文は控えめになってきたのも事実です。

B君の会社の経営状態の詳細は知りませんが、彼が全面的に嘘をついているようには思えませんでした。現在の歯科業界の状況を考えれば、歯科材料店の経営も順風満帆という会社は多くはなく、むしろ少数派でしょう。

うちの歯科医院にも歯科医院の実情がある一方、泣きの戦術は人の情に訴えるもの。正面から泣きを入れられてもクールに対応すればいいのですが、これまでのB君との付き合いを考えるとそういうわけにもいかず。

経営のことを考えながら、少しはB君に注文を回せるようにしないといけないなあと感じた、歯医者そうさんでした。

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2009年6月16日 (火)

血まみれお母さん

昨日、うちの歯科医院に予約が無いまま突然来院された女性患者さんがいました。後でこの時のことを受付に尋ねると、

「『見ただけで、先生に何とかしてあげて欲しい』と思いましたよ。」

予約患者さんの合間に急患として治療をしたのですが、診療室に入室するや否や僕も思わず尋ねました。

「大丈夫ですか?」

上唇が脹れ、上の前歯の1本が折れていました。下顎の皮膚も擦り傷があり、まともに顔面を強打したのは明らかでした。口の中は前歯からの出血で血まみれ。出血は止まっていたようですが、出血した血が歯肉を被う様な状態でした。

手短に問診したところ、どうも後から走ってきた子供の自転車に突然ぶつけられたとのこと。自転車の前輪に突然足がはさまり、前方の路上へ転倒してしまった。手に荷物を持っていたため手が間に合わず、顔面を強打したというのです。

しかも、加害者は自分の子供とのこと。加害者に責任はあると言っても強いことが言えるわけでもなく、子供を放置するわけにもいかず、うちの歯科医院に一緒に連れてきたとのこと。加害者の子供は待合室で大人しそうにゲームをしながら待っていたようです。

全く不運としかいいようが無いアクシデントでしょう。僕は直ぐに口の中と顔面の骨の状態を調べました。顔面に関しては、幸いなことに骨折は認めず、傷口も裂けていませんでした。内出血により唇は脹れていたものの、出血は既に止まっており、これは傷口を消毒し、抗生物質や痛み止めを飲んでもらうことで対処。

問題は口の中でした。口の中の血を清潔ガーゼで拭い取ると、粘膜の一部が裂けている部分がありました。この部分は麻酔をしながら縫合糸で縫合しているうちに止血を確認。歯に関しては、2本の上の前歯が欠けていましたが、そのうちの一本は先端の一部が欠けていただけだったため、欠けていた部分を充填するだけで済みました。さあ、残りの一本ですが、これが歯の半分以上が割れており、しかも、割れ目からは歯の中の神経が見えておりました。このような場合、神経を取らないと痛みが治まりません。患者さんには事情を説明し、麻酔を効かせた後、神経の処置を行いました。

治療終了後、血まみれだった口の中からはほとんど血の姿が消えていました。顔面の擦り傷や唇の脹れは治まっていませんでしたが、これは時間の経過とともに落ち着いてくることを患者さんには説明し、処方した薬を飲みながら、歯の治療には当分通ってもらうことをお願いしました。

お母さん、ただただ頭を下げておられましたが、それにしても女性にとって顔は非常に大切なものの一つ。いくら子供の自転車が原因だったとはいえ、思わぬアクシデントにはさぞかしショックだったことでしょう。顔面の脹れや傷は時間が経つとともに自然に治ってくることでしょう。歯に関しては、神経を処置した歯は被せ歯にする必要があるかもしれません。全てが元通りというわけにはいかないでしょうが、一日も早く怪我から回復されることを祈りつつ、歯の治療をしていきたいと思った、歯医者そうさんでした。

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2009年6月 3日 (水)

歯医者にもある学閥

社会で働いている人は必ずどこかの学校で教育を受け、卒業しています。これら学校は卒業しても経歴として一生付いてくるものです。

学校を卒業するのは一人ではありません。毎年、何人もの人が同じ時期に卒業するわけですが、歴史があったり、毎年の卒業生が多ければ多いほど同窓生の数も増えてきます。

社会の中にはいくつもの業種、業界があるものですが、不思議なもので同じ学校の同窓生が多く集まる場合があります。これら同窓生はお互いが同じ学校出身ということで仲間意識を持ち、一種の集団を形成します。学閥です。

ところで、日本全国には歯科医師を養成する大学歯学部、歯科大学が全部で29校あります。これら29校の中には第二次世界大戦以前から設立されている歴史のある大学があれば、第二次世界大戦後、歯科医師不足を補うために新設された大学歯学部、歯科大学があります。これら29校にはそれぞれ同窓会があり、卒業生、同窓生の親睦と情報伝達を図っています。

この中でも第二次世界大戦前から存在する歯科大学の同窓会は会員数が多いのが特徴です。会員数が多いということは、歯科界においてそれなりに発言力が大きいことを意味します。特に、歯科医師会関係では昔からある大学の出身者ならびに学閥が重要なポストに付くことが多いのが現状です。

先日もある歯科医師会組織の幹部の出身大学を調べましたが、見事に歴史のある大学の出身者で固められていました。

学閥に関してはいい面、悪い面があることと思います。正直言って、僕はこの学閥が好きではありませんが、同じ同窓生の先輩によれば、同じ同窓ということで恩恵を受けることが多いとのこと。

僕は歯医者であれば学閥関係なく、同じ歯科医師として歯科の発展に貢献していきたいと願っていますが、詳細は書きませんが、どうも歯医者の世界もこの学閥によって左右されることが多いようです。

この手の話を他の業界の友人と話をすると、同じような学閥主義がはびこり、苦労をしているとのこと。学閥よりも一人一人の人となりで判断し、付き合ったり、仕事をしていかないといけないと思うのですが、このようなことを言うと、歯医者の仲間うちからはきれいごとを言っていると反論を受けるのは非常に悲しいことです。

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2009年5月29日 (金)

診療中に地震

昨日の午前中のことでした。ある患者さんの治療をしていると突然“ゴー”という地響きの音がしました。“もしかして”と思うや否や突然“ドン”という音がしたかと思えば診療室が数秒揺れたのです。地震でした。

当地は平成7年に阪神淡路大震災に遭遇しました。この阪神淡路大震災前後まではほとんど地震を感じたことはなかったのですが、最近は時折地震を感じます。地震といってもそれほど大きな揺れではなく、せいぜい震度1~2程度のものですが、これら地震は夜間や明け方がほとんどでした。昨日のように午前の診療中に地震が起こったことは初めての体験でした。

幸い、地震は数秒で収まりました。その後のニュースで確認すると、震度は1。大した揺れではなかったはずですが、実感としてはもっと揺れていたのではないかと思うぐらいの揺れだったように思います。

診療所は多少揺れた程度で何も損傷は見られませんでした。それよりも安心したのは患者さんでした。診療台の上に寝てもらいながら治療を受けていた患者さん。地震の際には直ぐに患者さんの口から診療していた僕の手を出し、患者さんが何か飲み込まないようにするのが精一杯。患者さんに地震のことを尋ねると

「いや~、地響きとともに地震が起こるとは思いもよりもよりませんでした。貴重な経験ができましたわ~、ハッハッハ・・・。」

患者さんの笑いが救いでした。阪神淡路大震災以降、診療中、地震に襲われたことを想定した対策を検討、シミュレーションしてきましたが、いざ不意に襲われた地震に対してはなかなかうまく反応ができません。地震、雷、火事、親父と言いますが、地震を最初に言う理由が今更ながらよく理解できました。地震はやはり怖い。

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2009年5月25日 (月)

マスク確保に感動

歯医者という仕事をしているからでしょうが、僕は1日の3分の1近くの時間帯をマスクをつけています。歯医者にとってマスクは必需品です。患者さんの口の中を治療していると、様々な飛沫が拡散してきます。歯を削れば歯牙の切削粉や細菌、ウィルスなどが空気中に飛び散ります。入れ歯を削れば入れ歯の切削粉が、抜歯をすると時たま血液が飛んでくることもあります。治療をしている歯医者の宿命ですが、これら拡散物を間近で浴びなければなりません。中でも顔面はほぼ直撃といってもいいでしょう。呼吸の出入り口である鼻や口はマスクで覆わざるをえません。

マスクに関しては使い捨てのマスクを使用しています。グローブは患者さん毎に交換していますが、マスクの場合は直接患者さんに触れるものではないため、午前と午後の2回替えて使用しています。すなわち、一日の診療で僕は2枚の使い捨てマスクを使用していることになります。

このマスクですが、昨今のインフルエンザにより確保が難しくなってきました。突然の新型インフルエンザの蔓延により多くの人がマスクを必要とするようになったからです。需要に対し生産体制がおっつかないのが現状。

そんな中、僕はあらかじめうちの歯科医院に出入りしている歯科材料店の担当者にマスクの確保をお願いしておきました。実際に注文をしたのは新型インフルエンザの本格的流行が始まる前だったのですが、正直言って直ちにマスクを確保する可能性は低いのではないかと感じていました。歯医者仲間同士の話でもマスクの確保が難しいという話を伝え聞いていました。また、歯科材料を扱う通信販売の会社からは当分の間、マスクの在庫が無いという通知ファックスも届いていました。

幸い、うちの歯科医院には当分使用できるだけのマスク数はありましたが、やはり歯医者だけでなく、歯科衛生士や歯科助手などのスタッフの使用分も含めると心もとないもの。出来る限り多くのマスクがあれば安心感ができるはず。さてどうなることか?

そう思っていた先週末、出入りしている歯科材料店の担当者がやって来ました。マスクのことを尋ねてみようとした途端、注文数のマスク箱が見えました。

「マスクの確保は結構簡単ではありませんでしたが、何とか先生が希望されたマスク数は手に入れることができました。」

マスクを手に入れるのが難しい状況の中、よくぞ確保してくれました。

「先生方にとってマスクは無くてはならないものですから。新型インフルエンザが流行する前から我々はかなりの在庫を確保しておりまして、先生方からの要望にも何とか応えられる態勢を取っておりました。」

歯科材料店の担当者はいろいろと手を尽くしてくれたのでしょう。マスク不足は事実ですから、相当苦労をされたはず。ただただ出入りしている歯科材料店ならびに担当者に感謝、感謝の歯医者そうさんでした。

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2009年5月21日 (木)

いつまで経っても慣れない断りの電話

うちの歯科医院ではいくつかの高額な機器を使用しているのですが、ある機器はリース契約をしています。このリース契約がこの夏で終了、リースアップを向かえることになったのですが、機器そのものが古くなったため新たなリース契約を結ぶことで新しい機器を購入することになりました。

新しい機器を購入する際、僕は前もっていろいろな会社のものを自分の目で確かめます。当然といえば当然のことかもしれませんが、担当者の説明だけでは新しい機器に対する明確なイメージを持つことができないからです。今回購入しようとしている機器も昨年あたりからいくつかの展示会場で実物を見て、担当者の説明を聞き、実際に自分で操作し機器の反応をみておりました。

担当者に疑問や質問をぶつけるのですが、その際、必ずすることは複数の会社との比較でした。担当者には敢えて他社の機器のことを伝えます。担当者は自分の会社の機器を売り込むのに必死です。通常のマニュアルどうりの説明だけでなく思わぬ情報も言ってくれるのです。中でも、ライバル会社同士であれば、他社の製品のことをいろいろと言ってくれます。この情報をもとに該当するライバル会社に質問をし、その反応や言い訳に耳を傾ける。

結構嫌な買い手かもしれませんが、こちらとすれば高額な買物をする客です。購入してから後悔をしたくありませんから、ライバル社同士を敢えて競わせることは仕方の無いことです。

最終的には2社もしくは3社に絞込み、相見積もりをさせた上で最終判断をします。

今回の機器に関しては、昨日に最終判断をし、某社を選定。某社には決定の連絡をしました。某社の人は大変喜び、契約の話となったのですが、問題は他社への連絡でした。断わりの電話を入れたのですが、この断りの電話、いつまで経っても非常に心苦しく感じてなりません。特に、熱心に説明してくれた担当者に対してはその思いに応えられず申し訳なく思うのです。

こちらも商売ですからどの社とも契約を結ぶわけにはいきません。また、いつまでも結論を先延ばしするのも失礼な話。

どうして貴社が選定からはずれたのか?その理由を明確に説明し、今回は遠慮してもらうことを説明しました。担当者は明らかに声が落ち込んでいましたが、それでも彼なりに僕の電話にお礼を言ってくれました。

電話を掛け終わった後、内心ほっとした反面、何とも言えない複雑な気持ちになります。複数社からの機器を選定する際、いつもこのようなことにはなります。ある程度クールに対応しないといけないとは思うのですが、何かと小心者の僕としてはいつも断わりの返事がしづらいですね。まだまだ、人生勉強が足りないのでしょうね。

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2009年5月18日 (月)

新型インフルエンザに戦々恐々の歯医者

兵庫県、大阪府で蔓延しつつある新型インフルエンザ。メキシコで発生して以来、世界中に感染が広がり、日本に入るのも時間の問題だと思っておりました。日本では水際で感染を防ぐとして検疫態勢を厳しくしていたそうですが、検疫は一種のスクリーニング。おおまかな簡易検査でしかないので、当然のことながら症状が現れていない保菌者が日本国内に入り込むことは想定しておりました。ただ、最初に兵庫県や大阪府で感染が発生し、広がりを見せるとは思いませんでした。

既にうちの小学生のチビたちが通う小学校は今週末まで休校が決まっており、自宅待機の指示が出ております。僕が現在講義に行っている某専門学校も今週1週間は休校である連絡も入りました。

週末はテレビを見れば見るほど感染者が増えていっています。おそらくこの傾向はしばらく続くでしょうし、全国に感染が拡大するのは時間の問題でしょう。まだ、新型インフルエンザウィルスに対する免疫が誰にも無いだけにこれは仕方のないことではあります。幸い、弱毒性であることと、タミフルやリレンザといった従来のインフルエンザ治療薬が有効であること、鳥インフルエンザ対策上想定した国や都道府県の行動計画が機能していることからパニックになることは無いと思われます。

この問題、歯医者にとっては深刻です。何せインフルエンザは空気感染、飛沫感染です。咳やくしゃみ、会話などから人から人へ感染するのです。当然のことながら口に接する機会が多い我々歯医者は新型インフルエンザに罹る可能性が高い。

うちの歯科医院では、僕はいつもマスクをしながら診療をしています。スタッフもマスクをつけていますし、待合室と診療室には空気清浄機を設置しています。各々の診療台には口腔外バキュームと呼ばれる装置も置いており、日頃から空気感染対策は取っていますが、それだけでは足りないことでしょう。受付さんにもマスクをつけてもらうことをお願いしたり、患者さんにも手洗い、手指の消毒をお願いすることになるでしょう。また、来院する全ての患者さんには待合室で待機中、マスクを使用してもらうようする必要があるかもしれません。そうなると在庫のマスクが直ぐに無くなってしまう可能性も大。マスクの確保が必要かもしれませんが、出入りする歯科材料店や通販など様々なマスク入手法を検討しないといけないかもしれません。

それ以上に深刻になるかもしれないのが、患者さんのキャンセル。何せ不要不急の外出は控えるようにとのお達しがあります。歯医者へ通う患者さんもこのお達しの影響を受ける可能性は大。必然的に患者さんのキャンセルが相次ぐことが想定されます。

こればかりは不測の事態であり仕方の無いことかもしれませんが、歯医者の経営を考えれば深刻な問題です。

いずれにせよ、この新型インフルエンザの感染拡大、早く終息にむかって欲しいものです。

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2009年5月13日 (水)

異業種の友人のユニークな視点

どの業界の方でもいえることかもしれませんが、ある業界で長年仕事をしていると付き合う範囲が同じ業界の人同士に限定されてくることが多くなります。それはそれで仕方のないことではありますが、知らず知らずのうちに業界目線になるというべきか、一定の偏って見方になってくることがあるのではないでしょうか。

医療業界などはその最たる例でしょう。歯医者などはいつも周囲から“先生”と呼ばれていますが、いつの間にか自分が偉くなったように錯覚しがち。無意識のうちに上から目線で会話をしてしまうことが多々あります。何を隠そう僕もそんな輩の一人で、自分の視野の狭さを痛感します。それだからこそ、歯医者さんの一服日記に対しいろいろな意見を伝えてくれる方を大切にしたいと思いますし、そうしなければならないと常に考えています。ただ、誹謗中傷だけは避けて欲しいですけれども。

最近、小学生時代の友人と話をする機会があったのですが、興味深いことを語っていました。この友人、木材関係の仕事をしており、全国各地を飛び回っています。先日、会った時も既に顔は真っ黒。聞けば、仕事の関係で外を回っていることが多かったとのこと。今は紫外線が強くなってきているよとのこと。

そんな彼曰く

「植林用に植えられた木は常に人間の手を入れないと駄目になる」とのこと。話を聞いてみると

「天然の林と違い、植林した林は放置しておくとお互いの木が大きくなる。そうなると、いつの間にか太陽光線を遮るようになり成長が止まる。成長が止まれば木は腐り、林が成り立たなくなる。適度な時期に間引きをしたり、枝葉を刈ったりしながらどの木にも万遍なく太陽が当たり、水分が行き渡るようにしなければ数十年後に商品として木材が出荷できなくなる。」

彼は言いました。

「結局、一度人間が自然に対して何かを行えば、常に人間が世話しないといけない。これは宿命だよな。人間が手を加えた林は最後まで人間が手を加え続けないといけないんだよ。これって人間の口の中とよく似ているよな?」

「口の中の歯っていうのは、人間そのものだろう。歯が生えてくることは誰も意識はしないけど、常に歯のことは意識し、清潔にしようとしているじゃない。中には何もしない奴もいるかもしれないけど、身だしなみの一つとして歯を大切にすることは最早常識に近いものがある。歯を大切にすることは死ぬまで続くことだろう?」

「歯って人間が手を加えた林みたいなものだよ。いつも気をつけて管理しておかないと、虫歯や歯周病になってしまうだろう?そうさんがいつも言っているじゃないか、『歯の健康維持には毎日の歯磨きと定期検診が欠かせないって。』俺は自分の仕事を考えれば非常によく理解できる。だからこそ、いつも歯を磨いているし、定期検診にもまめに通っているだろう?」

木材関係の仕事をしている友人独特の視点による話ですが、専門家が語る言葉には示唆に富むものがあります。人が手を加えた林の話と歯の健康維持に話を結びつける話は多少無理があるかもしれませんが、彼の言わんとしていることはよくわかりました。実にユニークな視点ですし、僕自身、非常に勉強になる異業種の人との会話でした。

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2009年4月21日 (火)

今年もツバメが帰ってきた

うちの歯科医院は田畑や山に囲まれた田園地帯に位置しています。口悪い地元歯科医師会の先生仲間からは“これが同じ○○市なのか?”言われるくらい人口が少ない地域にあるわけですが、都会の雑踏からは縁遠く、非常にのんびりした雰囲気の中で仕事ができることは、ある意味恵まれているかもしれません。

そんなうちの歯科医院に今年もツバメが帰ってきました。うちの歯科医院の玄関先の電灯には毎年のようにツバメが巣を作っているのですが、今年も4月に入ってからツバメが戻り、巣作りに励んでいます。巣作りといっても全くゼロから始めるわけではなく、前年の巣に手直しをするような感じです。

Swallownest

それにしても毎年ツバメが戻ってくるのは不思議です。どのツバメが戻ってくるのかどうかはわかりませんが、かなりの確率で前年や以前にうちの歯科医院から巣立ったツバメが戻ってきているのではないかと勝手に想像しています。

このツバメの巣ですが、いつも注意しているのがフンです。ツバメの巣の真下にはフンが落ちます。このフンを簡単に取り除くことができるよう、歯科医院の玄関先が汚れないように巣の下には板を置いています。

Swallowboard

診療の合間の患者さんとの話の中でも玄関先のツバメの巣のことが話題にあがるようになりました。

「今年もツバメが巣を作っていますね。春から初夏になってくる感じがしますよ。」

うちの歯科医院の玄関先のツバメとツバメの巣は、今や一年の風物詩となりつつあります。

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2009年4月 7日 (火)

歯科が好きな歯医者になって下さい

「歯科が好きな歯医者になって下さい。」

昨日、ふと思い出したこの言葉。僕が母校の某歯科大学を卒業する際、ある先輩の先生から送られた言葉です。歯医者となって18年を過ぎた今でも奥が深いと思う言葉です。

僕自身、歯医者になってから自分なりに必死になって歯医者稼業に勤しんできました。歯医者になった当初はそれなりの知識はあっても技術が追いつかず、治療に右往左往していたものです。今でも治療に迷うことは度々ありますが、それなりの経験を積むことにより何とか凌いでいるのが実感です。

今となって僕は歯医者を諦め、他の仕事に就くことは考えられませんし、実際に転職することはできないでしょう。どっぷりと歯医者稼業に浸かってきた身ですが、果たして歯科を愛しているか?と問われれば、自信をもって歯科が好きだと宣言できる自信はありません。

まだまだ知りたい専門知識、学びたい専門技術があります。もっと歯医者として飛躍するために勉強したい気持ちはいつも持っているつもりです。けれども、歯科が好きか?と問われればどうでしょう。結論を明確に言うことはできません。

自分の仕事を愛し、好きになるにはどうすればいいのでしょう?僕はその術を知りません。はっきりと言えることは、歯医者稼業を止めてしまっては歯科が好きになるとは言えないことでしょう。地道に歯科を追求し、試行錯誤を繰り返しながらある瞬間に何かが見える。そんな瞬間を何度も経験して初めて歯科を愛し、好きになることができるのではないか?今の僕にできることは今の仕事を継続し、常に新しい知識、技術を学び経験すること。これしかありません。いつの日か歯科が好きだと心から言える歯医者になりたいものです。

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2009年3月27日 (金)

定額給付金申請書

昨年末から国会でてんやわんやの議論の末給付することが決まった定額給付金。実際の定額給付金の支給事務は地方自治体に一任されているようで、全国の市町村ではその準備に奔走しているようです。

僕が住んでいる市ではどうなるのか?と思っていたところ、昨日になってようやく定額給付金申請書が入った手紙が郵送されてきました。送り主は地元市の定額給付金等給付プロジェクト・チーム。何だか大げさな名前ですが、定額給付金の給付のために取り急ぎ作られた組織なのだろうなあと勝手に思いながら封を開けてみました。

中には定額給付金申請書類、それから説明用紙と返送用封筒が入っておりました。

本人確認用の書類(免許証、パスポートや健康保険証の写し等)や振込み先の金融機関の通帳の写しなどを添付しないといけないようです。後は、定額給付金申請書に書かれた自分たち家族の構成、名前に誤りがないかどうかを確認し、地元市の定額給付金等給付プロジェクト・チーム宛に返送する。

一応、我が家では大人2人、子供2人ですので合計64000円が頂けるようです。この不景気の中、有難いことで早速本日返送する予定。

定額給付金の景気に対する効果に対しては疑問がありますが、もらえるものは頂き、使わせてもらうつもりです。

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2009年3月25日 (水)

WBCに湧いた歯科医院

うちの歯科医院には待合室にテレビが置いてあります。診療までの時間の間、患者さんに見て頂くためのテレビです。毎朝、診療が始まると同時にスイッチを入れるわけですが、いつもはNHKに合わせて放送を流しています。

このテレビは患者さんが自由にチャンネルを変えられるようにしています。いつも診療が終わりテレビのスイッチを消す時、ほとんど毎日NHK以外のチャンネルに変わっています。

先週から今週にかけては、診療終了時にはいつもあるチャンネルに変わっていました。そのチャンネルとは、ワールドベースボールクラシック(WBC)を中継しているテレビ局のチャンネル。

今月初めから始まったWBCですが、前回のWBC覇者の日本が連覇を果たすかどうかが注目されていたのは周知のことだと思います。今回は変則トーナメント方式だったせいか、お隣の国、韓国代表とは合計5回も試合をするということになり、昨日は決勝戦で5度目の韓国代表戦となったのです。

既に結果は報じられているように、両チームが決勝戦らしい大接戦を演じ、延長10回、日本代表がイチロー選手のタイムリーヒットにより勝ち越し、その裏韓国代表の反撃をダルビッシュ投手が抑え、優勝を勝ち取りました。

このWBCに注目していた人は多かったようで、WBCの試合中継の視聴率は常に高かったとのこと。そのことはうちの歯科医院でも言えることで、試合が日本時間の午前中に行われたこともあり、うちの歯科医院の待合室では診療を待っている患者さんがWBCの試合を見ていたのです。

待合室からは、時には、

「よっしゃ!」とか

「あ~あ」というため息が診療室まで聴こえてきます。診療をしながらにして何となく日本代表の様子が手に取るようにわかりました。患者さんの中には診療をしている僕にWBCの経過を知らせてくれる奇特な方もいたくらい、待合室で診療を待っている患者さんはWBCでの日本代表の試合に関心を持っている人が多かったようです。

WBCを見る患者さんの熱狂度は日に日に高まり、一昨日の米国代表との準決勝、そして、昨日の韓国代表との決勝戦ではピークに達した感がありました。既に診療が終わり、昼休みの時間帯になっても熱心に試合経過を見ていた患者さんがおり、僕もついつい昼休みを忘れて見入っておりました。

そして、昼休みが終わり昼からの診療開始。9回の裏に同点に追いつかれた日本がどうなったか気になりながらもテレビ中継に後ろ髪を引かれる思いのまま午後の診療となりました。いざ診療となるとそれなりに集中はしていたのですが、ある瞬間、待合室からは歓声が上がりました。

診療台で治療を受けていた患者さん曰く

「日本が優勝したみたいですな。」

WBC人気に湧いた、うちの歯科医院でした。

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2009年3月24日 (火)

腹が立った逆ギレ商法

毎日、うちの歯科医院には何件もの電話がかかってきます。そのほとんどは患者さんからの電話なのですが、中には歯科とは全く関係が無い商売や勧誘の電話がかかってきます。

全く聞き覚えのない会社の名前を言って院長である僕を呼び出そうとするのならまだしも、僕の母校の名前や地元歯科医師会関係の名前を勝手に語り、如何にも関係者であることを装い僕を呼び出そうする輩もいます。全く失礼きわまりないのですが、不況の中で一つでも多く電話をかけ、商売に繋げたい業者が多いからだとは思います。ある意味、同情はするのですが、こちらとしてはいきなり電話をかけてきて“買ってください”と言われてもどうしようもありません。全て丁重にお断りしております。

先日、診療時間終了後、電話がかかってきました。ある不動産関係の電話で、マンション勧誘の電話でした。僕はいつもと同じように断わったのですが、電話を切ったと同時に再度電話がかかってきたのです。再び受話器を取ると、相手は直前に掛けてきた輩でした。いきなり

「おい、お前俺の電話に対して断わるなんていい度胸しているやないか!俺が患者やったら同じように断わっていたんかい!」

非常に高飛車な態度で僕に威嚇してくるのです。逆ギレというやつですね。僕は言いました。

「客に対してどうしてそんな偉そうな言い方ができるねん。それは脅しやないか?お前の会社と名前は覚えているぞ。威力業務妨害で警察に訴えるからな。俺の知り合いに警察歯科医がいるからな。」

と言った途端、その輩突然電話を切ってしまいました。

全く何を考えているのでしょう。仮にも商売相手に対し威嚇、脅迫してモノを売るとは言語道断。犯罪行為に等しい行為です。僕はしばらく呆れてモノも言えませんでした。

昨日、インターネットでニュースを見ていると、このようなニュースがありました。

2009年3月23日読売新聞

脅迫まがいの悪質な電話勧誘で、マンション購入をしつこく迫る業者への苦情が急増し、愛知県内では昨年12月現在、相談件数が131件で前年同期の約1・5倍に上っていることがわかった。きっぱり断ると逆ギレしたり、嫌がらせをしたりするケースも目立ち、中には暴力を振るう業者もあるという。

 「あなたにマンションの購入を断られ、部下が人間不信になって自殺した。どうしてくれるんだ」。名古屋市内の50歳代の男性会社員宅に昨年11月上旬、上司を名乗る男から電話がかかってきた。

 男性の自宅や職場に、「老後の年金の足しに、マンション経営はどうですか」と、勧誘電話が頻繁にかかり始めたのは同年9月頃。男性は「住宅ローンがあるので」と断っていたが、その後も電話は続き、多い時には一日に数十回もかかってきた。困り果てた男性は同年10月下旬、電話の男に直接会って断った。しかしその後、「上司」という男から、部下の自殺を理由に契約を迫る電話が入るようになり、名古屋市消費生活センターへ相談した。同センターが強引な勧誘をやめるよう業者へ連絡したところ、電話はなくなり、部下の自殺もウソだったとみられている。

 国民生活センターによると、2007年度の相談件数は全国で2841件。5年前の倍近くに増えており、今年度はさらに1月現在、2386件で前年同期の約450件増。このうち約1割が強引な勧誘を断り切れずに、契約させられていた。悪質な業者の多くは社名などを名乗らずに電話をかけ、断られると「家に火をつけるぞ」「家族に気をつけろ」などと脅すほか、喫茶店などで長時間の説明をした場合は、「こんなに説明しても契約しないなんて、人としてどうなんだ」と殴るケースもあったという。

 被害相談が後を絶たない背景として、同センターは〈1〉悪質な訪問・通信販売や電話勧誘などを規制する特定商取引法では、電話勧誘で相手が購入しない意思を示した場合、再度勧誘することを禁じているが、分譲マンションは同法の指定商品ではない〈2〉宅地建物取引業法でも、断られた相手に再び勧誘することを規制していない――などを挙げ、行政に対し、業者への指導強化を求めている。

 こうした逆ギレ商法について、日本女子大の細川幸一准教授(消費者政策)は「不況の影響でマンション需要が冷え込み、業者が在庫を抱えていることも背景になっている。悪質な勧誘については毅然として断り、その後の電話には決して応じないことが大切。相手方の発信番号を表示するサービスを利用し、着信拒否に設定するなどの対策も有効」と指摘している。

どうも逆ギレ商法が横行しているようですが、人様に不快な思いをさせる商売が継続できるのでしょうか?ある知人曰く

「商売とは品物を売るのではなく、自分を売って買ってもらうこと」

僕も知人の意見に全面的に賛成です。商品を買おうとする場合、商品を売る担当者によって左右されることが多いもの。客の信用を得て初めて物が売れる。これは商売の基本ではないかと思います。逆ギレをしても客の信用は得られず、かえって敬遠されることは明白です。

逆ギレ商法をしている業者には、逆ギレ商法に頼っていると、いつかは思わぬしっぺ返しを食らうことに気がついて欲しいものです。

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2009年3月17日 (火)

心地よい疲れを感じたい

仕事をしている人は誰でも同じだと思うのですが、一日の診療を終えると僕は疲労を感じます。何人もの患者さんを治療してきたわけですから体力的にも精神的にも疲れて当たり前なのですが、疲れ方は日によって異なります。同じ疲れていても心地よい疲れ方とそうではない疲れ方があります。

心地よい疲れ方というのはあっという間に一日が過ぎたような時が多いように思います。他のことを考えることなく診療に集中でき、なんとなく充実感に溢れた疲労を感じるとでもいっていいでしょうか。

一方、心地よくない疲れ方というのは、何か無駄なことをしているような感覚のまま診療をし続け、時には感情的になったりしながらやっとのことで一日の終わりを迎えるような感覚のように思います。いつも一日の診療が終わる時には心地よい疲れを感じたいのですが、残念ながら最近の僕は後者であることが多いのです。

僕は必ず診療前には予約が入っている患者さんのカルテを確認します。これまで診療の流れと今日の診療、そして、今後どのように診療をしていけばいいかを自分なりにシミュレーションするのです。このシミュレーションを頭の中にインプットして診療に望むわけですが、昨日は完璧に事前のシミュレーションどおりに診療を行うことができた日でした。患者さんの診療というのは一種の生き物のようなところがあります。事前に想定していることと異なることがしばしばです。患者さんは、歯医者が思ってもいなかったこと、予想していなかった症状を訴える場合があり、歯医者は患者さんが訴えることを常に耳を傾け、冷静に対処しなければならないのです。ところが、一日に何人もの患者さんを診療するわけですから、一人当たりの患者さんに費やす時間は限られています。しかも、予約制の場合、患者さんは指定された時間に歯科医院に来院しています。診療する歯医者は予約時間を常に意識しておかないといけません。

結局のところ、予定していた診療内容と思わぬ患者さんからの訴え、他の患者さんとの治療時間の調整などから、診療前に考えていた治療どおりにいかないことが多いのが現状です。

何事でもいえることですが、医療においてはどんな状況でも柔軟に、臨機応変に対応しないといけないのですが、まだまだ未熟者の僕は臨機応変に対処することが苦手です。一日の診療が終わる時に感じる心地よくない疲労の一因にはこのようなことが背景にあるのではないかと感じています。

そんな中、昨日は久々に心地よい疲れを覚えた診療日でありました。診療開始から終了まで、事前に予測していた通りの診療をし続けることができたからです。診療時間中には想定外の予約外の患者さんの治療をすることもあったのですが、何とか上手く診療時間をやりくりすることができたと思います。このような日が一日でも増えてくれたら有難いのですが、今日の診療は一体どうなることか?自分にとって充実感のある診療を今日も心がけたいものです。

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2009年2月27日 (金)

声を掛けてもらうのは有難い

早いもので2月も残すところ後2日。2月は逃げると言いますが、あっという間に2月が終わってしまうような気がしてなりません。時間が経つのは早いものですが、思い起こせば、僕にとってこの2月はいろいろなことがあり、結構時間に追われていたような気がします。その理由の一つが4月からのことでした。

「そうさん、4月から新しい仕事をお願いしたい。」

今月初め、地元歯科医師会の上司の先生から言われた言葉です。突然な申し出に僕は戸惑いました。なぜなら、昨年末の時点でこの上司の先生からは4月以降もこれまでの仕事を継続してやるように言われていたからです。僕自身、その心積もりでいただけに今回の突然の申し出に驚いたのです。話が違うじゃないかと。即答を避け、時間をかけて考え、信頼できる友人、知人にも相談しました。その結果、僕は新しい仕事を引き受けることにしました。

4月という時期は年度の始まりということがあり、多くの企業、学校、組織で新しい体制、新しい試みが行われるものです。人事についても新しくなるケースが多いことでしょう。僕が所属する地元歯科医師会では、会長をはじめとした現在の執行部が3月で任期を終え、4月から新しい執行部の体制となります。この新しい執行部の体制ですが、4月からいきなり新しくなるわけではありません。年明けからいろいろと動きがありました。実際に会長選挙が行われ、新しい会長が選ばれた経緯がありました。会長が決まれば後は会長を支えるポスト、人事の割り振りということになるのですが、その中の人事の一つに僕が入りそうなのです。しかも、これまで僕が担当してきた仕事ではなく、新しい仕事が割り振りされることになりました。僕自身、全く初めて分野であり、この分野のことに関しては右も左もわかりません。一体何から手をつけていいものか?皆目検討が付かないのです。このことを訴えると

「前任者の○○先生が詳しく引継ぎをしてくれると思うので連絡を待って欲しい」とのこと。

不安で一杯な反面、僕としては新しい地元歯科医師会の仕事は一つのチャレンジの機会を与えてもらったようにも感じます。これまで行ってきた仕事はそれなりに愛着もありますし、もっと改善するための余地がありましたし、アイデアも持っていました。ただ、自分が気が付かないうちに様々な点でマンネリが出てくる恐れもあるのは事実で、そういった意味で全く新しい分野の仕事というのはマンネリを避ける意味で貴重な機会だと感じます。果たして僕がこの分野の仕事を果たせるのかどうか自信はありません。ただ、ひたすら勉強しながら少しでも新たな仕事に慣れ、地元歯科医師会に貢献できればと考えています。

実は、僕にとってこの4月は地元歯科医師会以外のことでも新たなことを始めることになっています。そのための準備を今いろいろと試行錯誤しながら行っています。自分できちんと務まるのかどうかはわかりませんが、いろいろ周囲から声を掛けてもらうことは非常に有難いことだと感じています。おそらくこれまで以上に忙殺されそうな日々が始まりそうです。しっかりと対応するためにも今から心の準備をしっかりと整えなければならないと感じている、歯医者そうさんです。

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2009年2月24日 (火)

眠るように息を引き取りました

昨日、うちの歯科医院の郵便受けで届いた郵送物を確認していると、僕宛に一通の封書がありました。差出人はSさん。うちの歯科医院に来られているおなじみの患者さんでした。封書の封を開け、手紙を読んでみると、手紙には、Sさんのお母さんについて書かれてありました。

昨年、僕はSさんから相談を受けました。“自宅に母親が寝たきりになっているが、歯の調子が悪い。一度往診に来てもらえないか?”という内容の相談でした。かつてSさんのお母さんもうちの歯科医院に来院していたのですが、ここ数年姿を見かけることがありませんでした。“一体どうしたのだろう?”と思っていたのですが、Sさんによると自宅の庭先で転倒し、大腿骨を骨折。その後、認知症にもなり寝たきりの状態になっていたのだとか。

僕はスタッフの歯科衛生士と一緒にSさんの自宅に往診に出かけました。Sさんのお母さんは日当たりの良い自室で僕たちを待っていてくれました。予想していたよりも元気な姿で出迎えてくれました。

「本当だったら先生の所へ行かないといけないのだけど、こんな体なので出かけられないのですよ。来てくれて助かります。」

本当に認知症なのかと疑いたくなるくらいのきちんとした応対に驚きながらも、早速口の中を見てみると、欠けて鋭く尖っている歯が何本もありました。Sさんのお母さんの訴えは、この尖った歯が舌に触れ、痛いということだったのです。尖っていた歯はどの歯もむし歯が進行したために歯が破折したようでした。本来なら、むし歯を取り除き、場合によっては神経の処置を行いながら、詰め物を詰めたり、被せ歯を被せる。保存できない場合は抜歯しなければいけないケースだったのですが、僕は歯の鋭く尖った部分だけを往診用切削装置で削るだけにしました。

往診しなければいけない患者さんは体力が衰えています。体力のみならず免疫力も気力も衰えている場合が多いもの。通常の歯科治療は肉体的にも精神的にも非常につらいものがあります。本来なら良くないことかもしれませんが、往診での歯科治療は苦痛を伴わず、必要最低限の処置に留めかなければなりません。無理に本来の治療を行ってしまうと、治療により寝たきりの状態が更に悪化するリスクがあるからです。

ある歯科医の先生から聞いた話ですが、某病院の歯科口腔外科医が往診先の寝たきりの患者さんの歯の状態が酷く、何とか歯の状況を改善したく、病院へ搬送し治療を行ったのだとか。その結果、歯の状態は劇的に改善したそうですが、その後間も無くその患者さんは体調不良を訴え、亡くなられたのだそうです。歯科治療と死因との因果関係ははっきりしませんが、歯医者が治療を積極的に進めた直後に亡くなられたのは非常に皮肉です。寝たきり患者さんの歯科治療の難しさを物語っている一例です。

Sさんのお母さんの場合も僕は本人が訴えることを解決する処置以外は行いませんでした。すなわち、歯が欠け鋭く尖っていた部分だけを削り、舌に引っかからないようにすること以外の処置は行わなかったのです。Sさんのお母さんは僕の処置に満足され、頭を下げられました。

「これで何の心配もせず舌を動かすことができます。」

その後、Sさんからはお母さんに関して何の連絡もありませんでしたので、僕はその後順調に過ごされているものとばかり思っていました。ところが、今回届いたSさんからの手紙にはSさんのお母さんがつい先日亡くなられたことが記されていました。

先生には遠いところ、母のために往診に来て頂き有難うございます。あれから母は順調に過ごしていたのですが、昨年末から徐々に体調を崩し、先日、自宅で眠るように息を引き取りました。

人の一生はいろいろな最期があるものです。このようなことを書くと不謹慎かもしれませんが、自宅で眠るように息を引き取る亡くなり方は非常に幸せな亡くなり方のように思います。何も苦しまず、静かに自宅で亡くなられたSさんのお母さん。往診の時のSさんのお母さんの笑顔を思い浮かべながら僕は手を合わせました。合掌

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2009年2月20日 (金)

早口の自分に悪戦苦闘

先日、知人と出会い話をしておりました。この知人、趣味である楽器を弾いているのですが、時々自分の演奏を録音して聴くことがあるのだとか。どうしてそのようなことをするのか?尋ねると、自分では気がつかない点がいろいろとわかるのだとか。自分では冷静に演奏していたつもりでも、録音を聴き返すと変な力の入れ方やテンポの乱れ、自分の思い込みなどがわかるのだとか。より上手に演奏するためには定期的に自分の演奏を録音して確かめることが大切であることを語っていました。

この知人の語っていたことは僕もよくわかります。自分がこれで良いと思っていた行動、言動が他人から見れば決してそうとは受け取られないことがあるからです。主観と客観の違いは時としてかなりの相違が見られることは、賢明な皆さんであればよくご存知のことでしょう。

最近、僕が気にしていて改善しようとしていることがあります。それは自分が会話のスピードです。かつてお袋が僕に言っていました。

「気が付かないうちに早口になるから注意しないといけないよ!」

当時、お袋が言っていたことはよく理解できませんでした。なぜなら、自分が早口である実感が全くなかったからです。そんなに僕は早口で話をしているのだろうか?

公の場で自分が話している声を録音したり、ビデオ撮影している映像を見てみると、確かにお袋の指摘は正しいものがありました。僕は早口なのです。自分では全く気が付かなかったのですが、録音や映像には僕の話している会話の特徴が何の先入観もなく、客観的に記録されたものを確認すると、確かに僕は早口であることがよくわかりました。

人前で話をする際、NHKのニュースでアナウンサーが読むスピードがちょうど良いと耳にしたことがあります。僕も真似てみると、非常にゆっくりとしたスピードで原稿を読んでいることがわかりました。NHKのアナウンサーの声をそのまま真似て声を出していると、何だかまどろっこしい感じさえするくらいのスピード。原稿が手元にあるなら、NHKのアナウンサーよりもフライングして先に読んでしまうくらいでしょう。如何に自分が早口であるかを思い知らされました。

先日、ある公の場でこのNHKのアナウンサーのニュース音読スピードを意識して話をして見ました。当日はビデオ撮影されていましたので後日確認してみたところ、自分では非常にゆっくり話をしているつもりが、実際にはちょうど良いくらいのスピードで話をしていることがわかりました。

会話のスピードは状況によって変えなければならないとは思います。家族や友人、知人の場合、ある程度早口で話さないと会話のリズムが維持できないかもしれませんが、人前で話をしたり、公の場で話をする際には意識してゆっくり話をしないと自分の言葉が充分に伝わりません。

なるべくゆっくりと話をしなければ・・・とは思っているのですが、これがなかなか難しいですね。長年かかって身についている自分の癖を直すのは大変ですよ。

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2009年2月18日 (水)

急患は待つのが当たり前では?

「本当に失礼な電話でしたよ!」

発言の主はうちの歯科医院の受付さん。かなり立腹して様子でした。

後で話を聞いてみると、電話をしてきたのはお母さんらしい女性からだったそうで、子供が歯が痛いので診て欲しいとの電話だったのだとか。痛がっているので少しでも早い時間帯に診て欲しいと話していたそうです。

この日は予約が詰まっており、本来なら急患が入る時間的余裕はなかったのですが、歯が痛いということ、そして、少しでも早くという要望に答えようと午後のある時間帯に来て待ってもらうように伝えたのだそうです。すると、電話越しに女性とは別の男性の声で

「そんなんだったらええわ!」

との声が聴こえたのだとか。その声は子供か他の家族かはわからなかったそうですが、女性の方は再度電話をすると言って電話を切ったのだそうです。

電話をかけてきた女性の方には何も思わなかったそうですが、問題は電話の背後から聞こえてきた声。受付さんは、予約患者さんの合間の時間を何とか急患患者の治療のために時間を作ろうと苦労していました。それも少しでも歯の痛みを取るために役に立ちたいという一心からでした。そんな気持ちを踏みにじるかのような“そんなんだったらええわ!”の一声。

受付さんが怒るのも無理はありません。

これまで僕は何度も急患の患者を治療してきました。うちの歯科医院は予約制ですので、患者さんには決まった治療時間に来院してもらい、治療をする態勢を取っています。実際は想定していた治療時間内に治療が終わらないこともあります。治療上の問題や想定外の歯のトラブル、治療予定場所以外の患者さんの訴えもあります。どうしても確保していた時間内で治療を終えることができず、予定が押してしまうことも度々です。そのような中、予約外の患者さんの治療を受けなければなりません。予約外の患者さんには必然的に待ってもらうことにならざるをえません。

僕はこれは仕方の無いことだと思います。僕自身、予約外でいくつもの医療機関を受診したことがありますが、その際、突然押しかけるわけだから何時間待たされても仕方がない。診てもらうだけでも有難いと思います。他の患者さんがたくさんいる中で突然自分が受診してきたわけですから。無理は言えない立場だからです。

また、普段、自分自身が患者さんを待たせることがありますし、待つ理由もよく理解できるだけに、患者の立場になったからには待つことは当然だと感じるわけです。

同じことを全ての急患患者さんに要求するわけではありませんが、急に医療機関を受診する場合、待たされて立腹したり、感情を露わにするのは如何なものかと思います。命に関わるような場合は別として、基本的には急患として医療機関を受診する場合、いつまでも待つ心構えが患者さんには必要ではないかと思うのです。

医療側は決して急患の患者さんをないがしろにしているわけではありませんが、既に何人もの多くの患者さんを待たせているような状況の中で何とか時間を作り、受け入れようとしているのです。長時間待たされ、短時間しか診療をしてくれないことに不平不満を口にする患者さんは少なくありません。患者さんもいろいろと事情があるでしょうが、医療側も必死なのです。そのことをわかって欲しいと思います。

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2009年2月 2日 (月)

住所に字(あざ)があってもいいじゃない?

様々な企業、会社、公共機関、学校などでは専用の封筒を作っていると思います。多くの書類を郵送する際、差出人を書く手間を省いたり、宣伝を兼ねたりする等の意味で、封筒の表に組織名と住所、電話番号、メールアドレスやホームページのURLなどが印刷されているものです。

うちの歯科医院でも専用の封筒を用意していたのですが、先日、この封筒の残りがわずかになってきたことがわかりました。従来、うちの歯科医院で使用していた封筒は院長名が親父の名前が書いていました。前回、専用封筒を作ったのが僕が親父と院長交代する前だったせいでしたが、この封筒を使い切るのに数年かかったわけです。そこで、現状に合わせて封筒の院長名を僕の名前に変更することにしたのです。現状に合わせるようにしたわけです。

封筒のレイアウトそのものは何も変更せず、院長名を変えて新しく印刷しなおす。僕は嫁さんにいつもお願いしている印刷業者に発注するよう伝えました。

数日前、その印刷業者から校正が届きました。院長名は僕の名前に完全に変更になっていました。これは問題なし。さあ、それでは早速印刷をお願いしようかと思った瞬間、僕はあることに気がつきました。それは住所の一部が微妙に違っていたからです。微妙に違っていた点は何かといえば、印字されていた住所に“字”が抜けていたからです。これまで使用していた封筒には“字”が付いていたのですが、それが今回新たに注文した封筒の住所には抜け落ちている。嫁さんに確認すると

「字は抜いたのよ」

とのこと。

「どうして?」

と僕が尋ねると

「だって、“字”が付く住所って田舎くさいじゃないの。前からうちの歯科医院の封筒の住所に“字”が付くのは気が向かなかったのよ。今回、封筒を新しく印刷しなおすって言うから、院長名を変えるだけじゃなく住所から“字”を抜いた原稿にしたのよ。何か文句ある?」

どうも嫁さんは“字”という住所に対して良い印象を持っていなかったようです。僕はといえば、“字”という住所に対しては何らこだわりを持っていません。確かに“字”という住所は都会にはなく、田舎に多い住所ではありますが、それはそれでほのぼのとした感じがしていいじゃないかと思っていたぐらいです。友人からはうちの診療所の住所を見て、田舎だと言われたことは何度もありますが、僕は全く気にならず、聞き流しているくらいでした。ところが、嫁さんはどうもこの“字”という住所が気になって仕方がなかったようです。

いろいろと話した挙句、出した結論は・・・・うちの歯科医院専用封筒の住所には“字”を抜くことになりました。嫁さんの意見に押された形ですね。僕は“字”がある方が正確な住所を記すことになるのでいいのではないかと言ったのですが、嫁さんの意見に一歩弾いた形です。

現在、うちの歯科医院専用封筒は印刷中で、今週にも届く予定です。住所欄には“字”が無い住所が載る予定です。新しい封筒がどんな封筒になるか?出来上がりが楽しみですが、住所には“字”があってもよかったんじゃないかと少しばかり心残りの、歯医者そうさんでした。

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2009年1月29日 (木)

マニュアルを読まない人

昨日、仕事で使うある器械のマニュアルを見ていました。何気なく見ていると、ある場所に目が留まりました。その場所とは器械のメンテナンスに関する場所だったのですが、僕はメンテナンスのある工程を全く無視し、行っていたことがわかりました。

正直なところ、僕はマニュアルを読むのが苦手です。器械や器具を初めて用いる場合、一応解説が書いてあるマニュアルを見ようとはするのですが、それよりも先に器械や器具を触りたい欲求が強く、マニュアルを見ること無に使用してしまうことが多いのです。

実際のところ、専門の器具、器械を購入する際、必ずといっていいほど担当者が来院し、一通りの説明をしてくれます。非常に丁寧に教えてくれるものですから、僕もいろいろと質問をしたり確認をしたりすることに時間を費やしてしまうくらいです。操作の仕方を教えてもらうと、担当者の前で自分で使用する。疑問点や不審な点があれば、直ぐに担当者に質問をする。そのようにしながら新しい器具、器械を自分のモノにする。これが僕が新しい器具、器械を使う時に行うやり方だったのです。

一度使用していけば、マニュアルを見ることなく、そのまま使用してしまいます。そのため、器具や器械に付属していたマニュアルは梱包箱や保管箱に入れたまま放置してしまうことがほとんどです。

昨日はたまたまある器具の保管箱を見る機会があり、中を見ていると埃の被ったマニュアルを見つけたのです。埃を取り除きながら何気なくパラパラとマニュアルの中身を見ているうちに、自分の過ちに気がついたというわけです。

最近の機械モノはマニュアルなど読まなくても直ぐに使用できるよう、操作が簡略化され、容易に取っ付きやすい機能に特化されています。そのため、最初からマニュアルを詳細に読まなくても、感覚で動かすことができるようになっているものがほとんどです。僕自身、自分がズボラな性格であることも手伝ってか、多くの仕事で使用する器具、器械はマニュアルを見ることなく使用していました。それで事足りていたつもりでしたが、実際にマニュアルを見ていると、本来しなければならないメンテナンスのある工程を怠っていたことがわかり、ショックでした。このまま使用していれば、この器械の寿命は確実に短くなるところでした。反省しきりの歯医者そうさん。

これから、新しい器具、器械操作は、一度はマニュアルに目を通さないといけないと堅く誓ったのでした。

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2009年1月27日 (火)

もっと勉強しろ!

「先生、もっと勉強せんといかんわ!」

先日、ある勉強会で某先生から言われた言葉です。専門分野のあることで某先生に質問していたのですが、僕がある基本的な質問をした際、某先生思わず口にした言葉でした。

正直言って、久しぶりに強烈な刺激を受けた言葉でした。某先生からすれば今頃になってこんな基本的なことをわかっていないようではプロとして失格。もっと勉強、研鑽を積むようにというお叱りと激励の意味で強く言われたのでしょう。

僕自身も自覚していました。自分がこの程度のことを知らずに質問をすることが如何に自分が勉強していないことを曝け出すことになるかを。ただ、聞かぬは一時の恥、知らぬは一生の恥という諺もあります。恥を忍んで尋ねたわけです。

自分が勉強不足であるとは思いながらも、他の専門家から改めて指摘を受けると、思わず考え込んでしまいます。自分の肝っ玉が小さいこともあるでしょうが、その反面、自分自身にどこか気の緩みがあることを指摘されたような感じがしました。

今年の4月で僕は歯医者になって18年になります。世の中、新陳代謝が激しいのと同様、歯科においてもいろいろな面で変化があるもの。基本は変わらないのですが、新しい知見、所見が次々と出てきます。僕が学生時代に習ったことが今では通用しない、否定されているなんてことが結構あるものです。また、新しい技術、材料、製品、器械が考案され、今では歯科業界のスタンダードとなっていることもあります。常に新しい情報には真摯に耳を傾け、取り入れ、患者さんに還元しないといけないのですが、時にどこか慢心が出てきて、“これでいいだろう!”と安易に考えてしまっていたのかもしれません。

そういった意味で今回のお叱りは改めて僕の目を開かせてくれたと感謝しています。まだまだ学ぶことは多いもの。これって歯医者である限り、一生続くのかもしれません。けれども、そんな変化があるからこそ僕は歯医者稼業が面白く感じるのかもしれません。

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2009年1月20日 (火)

麻酔嫌い歯医者

先日、某所で大学時代の後輩と話をする機会がありました。この後輩、僕と同じようにお父さんが歯医者です。現在、お父さんの歯科医院を継ぎ、診療をしています。

「1週間前、親父が僕に言ってきたのですよ。『右下奥歯の歯肉が腫れたから診てくれないか?』ってね。一体何事か?と思い、親父が言っていた右下の奥歯を診ると、確かに歯肉が腫れていたのです。原因は歯周病だったのですが、応急処置として腫れた歯肉を切って膿を出さないといけませんでした。そこで僕は麻酔をしようとしたんですよ。親父の口の中に麻酔注射器を入れ、いざ歯肉に注射針を刺そうとしたその時でした。とんでもないことが起こったんです。」

「とんでもないことって?」

「親父の両手が突然僕の手をつかみ、僕が持っていた注射器を取り上げようとしたんです。『こらっ、一体何をするんや!』って僕は大声をあげたんですよ。そうしたら親父何を言ったと思います?」

「何て言ったんだろう?」

「『親に痛い思いをさせる気か!』って言うんですよ。僕は信じられませんでした。なぜなら、腫れた歯肉を切って膿を出す前に麻酔をして痛くないように痺れさせる処置は、歯医者なら常識の処置です。しかも、親父は何十年も歯医者をしてきた身。今まで多くの患者さんの腫れた歯肉を切って膿を出してきたことがあるんです。当然のことながら麻酔をすることはわかりきっているはず。それなのに、自分が麻酔をされる立場になるや否や嫌がるんですよ。」

「お父さん、相当の怖がりだね。」

「そのとおりですよ。僕は言いました。『腫れた歯肉を切って膿を出すには麻酔は絶対に必要だろう。それを嫌がるということは膿を出すことを拒絶することを意味するぞ。もし、麻酔が嫌なら麻酔無しで腫れた歯肉を切って膿を出すしかないぞ。これは痛いぞ。それでもいいんだったら歯肉を切って膿を出してやる。』」

「お父さんはどんな選択をしたの?」

「親父はしばらく沈思黙考しましたよ。その結果出した結論は『麻酔無しで歯肉を切る』でした。呆れてものが言えませんでしたよ。何度も親父に念押しをしましたけど、親父の考えは変わりませんでした。」

「本当に麻酔無で歯肉を切ったの?」

「切りましたよ。切ったと同時に大声で『痛い』と言いましたね。『痛くないように麻酔をしようよ』と何度も言いましたけど、最後まで拒否しました。処置が終わってから親父は痛み止めの薬を飲みましたけど、しばらく切った歯肉の側の頬を押さえて、目に涙を浮かべて我慢していました。」

「これって、親に対する虐待みたいにならない?」

「親が望んでやってくれと言ったことを僕はやったまでのことです。どんな結果になるかどうかはわかっていたはずですよ。それでも、麻酔だけは嫌と言うのですからどうしようもありませんよね。ちなみに、腫れた歯肉の原因となった歯周病の歯は、抜歯しないといけないかもしれません。その時は無理やりでも麻酔をして抜歯しないといけないと思いますね。歯医者でながら極度に麻酔を怖がる親父は情けないですよ。人にあまり知られたくないですね、こんな親は。」

ごめんなさい。こんな親を日記ネタにしてしまいました。

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2009年1月19日 (月)

五代目の医者

僕自身、歯医者の二代目ですが、なぜ歯医者になったか?と問われれば直ぐに思い当たる理由が無いのです。こんなことを書くと叱られるかもしれませんが、敢えて理由を書くとすれば、“何となく”でしょうか?

親父は自宅の一部を診療所に改装して歯医者を開業していました。僕は幼少の頃から歯医者の環境で育ってきたのです。昼間、自宅では患者さんの声や診療所の機械の音が始終聴こえていたものです。親父が白衣を着て家にいたことも覚えていますし、親父の白衣からは歯医者独特のにおいがしていました。

今から思えば親父が何も言わなくても歯医者という環境が僕の頭を洗脳し、いつの間にか“大きくなったら歯医者になる“という思考回路が形成されていたように思います。

現在、僕には10歳と7歳のチビがいますが、二人とも何気ない会話の中に将来は、歯医者になるということを漏らしていることがあります。僕はチビたちに一度も歯医者になれと言ったことはありませんが、それでも歯医者になるということを言うということは、僕と似たような道を歩む可能性が高いと思います。子供が育つ環境が将来の職業選択を左右することがあるものです。

ところで、昨日、某新聞を読んでいると俳優の佐野史郎のインタビュー記事が掲載されていました。興味深く読んだのですが、この記事の中で佐野史郎は父親が医者の四代目であることや弟が医者の五代目として跡を継いだことなどを語っていました。

医者の五代目。正直言って医者の五代目というのはたいしたものだと思います。僕の周囲を見渡しても、僕の後輩で四代目の歯医者というのはいたのですが、さすがに五代目となるといませんでした。おそらく五代目の始祖というのは江戸時代終わり頃に医者になった人だと思われます。

僕の先輩歯医者の一人が言っていたのですが、医者、歯医者は三代続けば上等で、それ以上続けるのは非常に難しいとのこと。その理由としてはいくつかあるようですが、同じ職業を継げば継ぐほど独特の伝統というものが生じ、伝統の精神的圧力に後世の者が耐えられなくなり、他の職業を選択するようになる説が有力なようです。

僕の子孫がどのようになっていくのか?歯医者を続け、四代目、五代目となっていくのか?それとも否か?今のチビたちが歯医者になるかどうかもわからないままこのようなことを書くのもおかしな話ですが、行く先を僕は三途の川の向こう岸で見守ることになるのでしょうね。

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2009年1月 8日 (木)

歯医者ならではの自動車ナンバー

昨日、僕は所用で某所へ出かける用事があり自家用車で出かけました。ある交差点で信号待ちのため止まったのですが、ふと横を見てみるとそこには消防署がありました。何台もの消防車と救急車が止まっていたのですが、何気なく自動車ナンバーをみるとほとんどの消防車が119であることに気がつきました。消防車の自動車ナンバーが119番、何ともわかりやすい取り合わせなのだろうと感心しました。

以前、某自動車会社のディーラーに勤務している友人から聞いた話ですが、最近、自動車ナンバーは無作為ではなく自分が希望する自動車ナンバーを申請し、取得することができるようになったとのこと。人気のある自動車ナンバー、なかでも1111とか2222といったゾロメ番号は多くの人が申請するため、なかなか取得するのが困難だというのです。ディーラーも顧客の希望に副うには結構苦労しているんだなあという話をしていると、その友人、僕にあることを尋ねてきました。

「歯医者さんのお客さんに車を売ったことが何度かあるんだけど、不思議なことにある共通した自動車ナンバーを希望するんだよな。これってどういうこと?」

彼が僕に言ってきた自動車ナンバーとは8020。

既に『歯医者さんの一服』日記でも何度となく取り上げ、世間でもかなり普及してきた8020。8020とは読んで字の如く、80歳で20本の歯を保とうという国民運動の一つです。男女とも平均寿命が80歳に達している今、80歳の時点で20本の歯を持つようにする。そうすれば、一生入れ歯に頼ることなく自分の歯で食べることが可能である。そのためには、若い頃からの歯の健康管理、予防に関心を持ち、定期的にかかりつけ歯科医で口の中のチェックをしてもらうことが大切である。

といった意味合いのキャッチフレーズが8020なのです。

ディーラーの友人にこのことを説明すると、

「ということは、8020の自動車ナンバーを見れば車の持ち主は歯医者であることを宣言しているようなものだね。」

まさしくその通りです。某所での用事が済んだ後、自家用車に乗り込もうとした時、僕の目の前をある車が通っていったのですが、その車の番号は8020。車の中には僕の歯医者仲間が奥さんと共に乗っているのが見えました。自家用車の自動車ナンバーを通じ、8020のキャンペーンをしている訳ではではないでしょうけども、それにしても最近の歯医者は自家用車に8020の自動車ナンバーをつけることが多いようです。

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2008年12月31日 (水)

年末の歯磨き指導 良いお年をお迎え下さい

昨日は、我が家の大掃除。といっても昔ながらの畳を上げたり、障子を張り替えたりなんてことはしませんでしたが、それでも普段できない場所を掃除機で掃除したり、エアコンのフィルターの掃除、窓拭き、車の洗車などを行いました。おかげで日頃から気になっていたにも関わらず放置していた場所はきれいに片付いたのですが、掃除が終わればヘトヘト。それでも、世間では明日の生活もままならない方が多い中、大掃除ができることは有難いことだなあと感じております。

窓を掃除している時のこと。窓のサッシの部分の汚れがなかなか取れず苦労をしていると、嫁さんが

「これが主婦の知恵というものよ!」

と言って持ってきたのが使い古しの歯ブラシ。歯ブラシの毛先で窓のサッシの部分をごしごしと掃除をすると、汚れが見事に取れます。新鮮な驚きを表現していると

「こんなこと、主婦だったら誰でも知っているわよ。今頃わかったなんて・・・」

と嫁さんに呆れられる始末。

普段、患者さんの歯磨き指導はしていますが、年末に自分が歯磨き指導をされるとは思いもしませんでした。これからちゃんと勉強します・・・。

さて、この1年『歯医者さんの一服』日記を読んで頂き、有難うございました。2008(平成20)年も今日で終わりです。毎日何を書こうと悩みながらも気がつけば大晦日。何とか1年間日記を書き続けられたのは、ひとえに読者の皆さんのおかげです。この場を借りましてお礼を申し上げるとともに、来る年が皆さんにとって素晴らしい年でありますことを祈念しております。どうか良いお年をお迎え下さい。

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2008年12月30日 (火)

大掃除は自分を磨くこと

うちの歯科医院では年内の診療は27日土曜日をもって終了し、正月休みを頂いているのですが、ほぼ毎日のように急患の患者さんが来院されます。

歯が痛くなった

歯肉が腫れた

入れ歯が割れた

差し歯が取れた

などなど、応急処置を必要する患者さんから連絡があります。正月休みは基本的には自宅にいますので何とか応急処置をしてはいるのですが、そのせいか、いつもの年に比べ正月休みであるという感覚が希薄なように思います。結果的に何となくだらだらと日常が続いているような気がするのです。こればかりは仕方のないことだとは思いますが、完全に休みモードになれないことが良いことなのか、果たして否か?結論を出せずにおります。

それでも、何とか200数十枚あった年賀状は何とか書きあげ、投函。マイカーや自室の掃除もぼちぼちしながら、後は診療室の整理か・・・。

上のチビ曰く

「終業式の時、校長先生が『大掃除は自分を磨くことになります』って言っていたよ。」

僕にとっては耳の痛い話ではありますが、確かにそうだと思いながら自分の身の周りだけは何とか年を越せる状態にしていきたいものです。

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2008年12月29日 (月)

いい加減な引継ぎ

平成20年(2008年)も残るところ後僅か。思い起こせばいろいろとあるのですが、僕の意識としては昨日正月明けだったのではないかと思いたくなるような感覚です。充実した時間を過ごしていたといえばそうなのかもしれませんが、年を追うことにこの感覚が加速しているような気がしてなりません。これも加齢現象なのかもしれません。

あっという間に過ぎていった今年一年ですが、日記を書いているうちに一つ思い出したことがあります。それはある仕事の引継ぎでした。地元歯科医師会のある仕事を僕は先輩の先生から引き継いだのです。世代交代をしなければいけないという会長の一言で、僕が指名を受け、仕事を引き継ぎました。

仕事を引き継ぐこと自体、異論は無かったのですが、問題は引継ぎ作業そのものでした。前任の先輩先生曰く、

「わからないことがあったら何でも聞いていいよ。」

この言葉だけ聞けば、何とも良心的な思いやりのある人だろうと思い勝ちですが、僕はそうは思いませんでした。なぜなら、引継ぎでこの先輩先生から口頭で直接説明を受けた機会は一度もなく、引継ぎ事項が手書きの紙切れ一枚だけだったからです。しかも、この紙切れに書いてあった内容は僕が知っていたことばかり。実際の詳細な引継ぎ事項、暗黙の了解事項などは一切書かれていなかったのです。

僕は何度となくこの先生に確認を取ったことがあったのですが、回答はいつも

「わからないなあ。好きなとおりにしたらいいよ。」

この先生、僕が引き継いだ後も全く様子を見ることはなく、放置されていました。非常にいい加減な引継ぎとしかいいようがありません。

引継ぎは事務的なことばかりではありませんでした。負の引継ぎもあったのです。

ある関係者に引継ぎの挨拶をしたところ、その関係者の口調は非常に重く、明らかに好意的ではありませんでした。後日わかったことですが、先輩の先生の仕事ぶりがいいかげんで愛想をつかしていたとのこと。関係者とのわだかまりを解くことに今年一年の時間を割いたと言っても過言ではないくらい気を遣いました。

僕はこの先輩の引継ぎを反面教師としました。改善すべきところ改善し、悪しき習慣は徹底して取り除く。非常に手間ひまがかかりましたし、今もって完全なものとは程遠いとは思いますが、僕をサポートしてくれるメンバーの助けの下、引継ぎを何とかこなしたように思います。

引継ぎというのは大切なことのはずなのですが、前任者がいい加減だと後継者が苦労をします。また、前任者が素晴らしくても後継者がいい加減だとこれも大変です。世の中の不祥事と呼ばれていることのいくつかはこの引継ぎがいい加減にされているが故に生じているのかもしれない。そのようなことを身を持って知った一年だったかもしれません。

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2008年12月26日 (金)

年末年始医者、歯医者のかかり方

毎年この時期に必ず書いていることを今年も遭えて書こうと思います。既にご存知の方でもいざとなった時にどのように対処したらいいかわからないものですし、ご存知でない方にはやはり知っておいてもらいたいことですから。

年末年始、ほとんどの医療機関は休診となります。皆さんが普段かかっている病院、医院、診療所、そして、歯科医院でも休みのところがほとんどでしょう。このような時期にもし体調が崩れたり、怪我をしたり、歯や歯肉、口の中に異常が診られたらどうしたらいいでしょう?普段から健康に気を遣っているつもりでも、年末年始に突然体に変調をきたすことは誰にでも可能性があることです。そのような場合、どうすればいいのか?

大切なことは日頃から世話になっている医療機関に年末年始の対応について事前に確認しておくことです。休診になっているのか、応急処置をしてくれるのかどうか、もし、休診するなら代わりの応急処置はどこで受けたらいいのか等々電話で確認しておくことが大切です。

年末年始、帰省場所や旅行先で体に異変が生じた場合、どうすればいいでしょう?この場合、帰省先の場合であれば情報があるかもしれませんが、それでも、長年帰省していない故郷の場合、それまでかかっていたかかりつけ医が廃業したり、移転したりしていることもあります。旅行先であれば医療機関に対する情報は無いに等しいでしょう。

このような場合も事前に年末年始の医療対応について調べておくことが大切でしょう。地元の新聞の地方欄や公報には年末年始で応急処置を行っている医療機関が必ず書かれています。また、インターネットでも地元市役所、区役所、役場などのホームページや医師会、歯科医師会のホームページなどで情報が公開されています。これらを利用するのがいいでしょう。

それでも、なかなか調べられない場合は、119番をかけましょう。119番といえば消防や救急車の出動を要請する専門ダイヤルのように思われるかもしれませんが、医療機関の情報も確実に持っています。どこか自分がかかりたい医療機関は近くにないかどうか尋ねれば、何箇所かの医療機関を教えてくれます。年末年始を前に各地の医師会、歯科医師会では年末年始の応急診療体制について地元消防署に情報提供しています。これら情報をもとに消防署は医療機関の問い合わせに対処しているわけです。いざとなったら119番で年末年始に診療をしている医療機関を尋ねることです。

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2008年12月17日 (水)

懐が寒くなる12月

「来週になったらサンタさんがプレゼントを持って来てくれるんだ。」

発言の主は僕のチビたち。まだサンタの存在を信じているチビたちは本気でクリスマスにサンタクロースがプレゼントを持ってくることを確信しています。クリスマスが早く来ることを切望するチビたち。

その一方で、お父さんである僕は事前にチビたちがサンタクロースに持ってきてもらいたいプレゼントを聞き出し、某所は買出しに行きました。クリスマスプレゼント用に梱包してもらったプレゼントはクリスマスまでチビたちに気がつかれないように保管しております。

そんなチビたちはクリスマスが終わり一週間後、正月を迎えます。正月といえばお年玉。わずか2週間余りの間にクリスマスプレゼントとお年玉をゲットするチビたち。なんともうらやましい限りですが、お父さんは今から憂うつです。特にお年玉の場合、クリスマスプレゼントとは異なり、自分の子供だけでなく、親戚の子供にもあげなければなりません。一体どれくらいあげればいいのか?想像したくありません。ただ言えることは僕の懐は確実に寂しくなるという事実です。財布の重さが軽いこと。あっという間に財布からお金が飛んでいきます。

個人的に懐が乏しくなる12月ですが、仕事でも何かと出費が多くなります。その一つが忘年会。既に12月に入ってから忘年会が2回ありました。いずれも仕事絡みの忘年会だったのですが、それなりの出費があります。付き合いのためとはいえ、この出費はイタイ。また、開業歯医者にとって最も頭を痛めるのがボーナスです。従業員の人に対し月給のみならずボーナスを加えないといけません。従業員にとっては楽しみなボーナスですが、経営者である歯医者にとっては大変です。一体どうやってやりくりすればいいか?悩みます。

巷では、“無事年を越すことができるだろうか?”という声があがる今日この頃ですが、うちのような弱小零細歯科医院でも本気で考えます。何とか見通しが立てばいいのですが、何時も青息吐息の経営を強いられていると、12月の年越しはいつも非常な精神的プレッシャーがかかります。

何とか経済的に余裕が持てないものか?年末ジャンボ宝くじがかなりの売り上げを示していると伝え聞きますが、宝くじに夢を託す気持ち、僕も心底理解できます。1億円とは欲張りませんが、少しでも高額の資金があればいいのになあと妄想してしまいます。

年末年始の経済的やりくりに四苦八苦状態の、歯医者そうさんです。

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2008年12月 3日 (水)

本格的モバイルパソコンデビュー

以前、僕は5万円パソコンを購入した話を書きました。あれから2ヶ月余り、このパソコンは結構重宝しています。某専門学校の講義では無線マウスとレーザーポインターを使用しながら講義をすることができましたし、地元歯科医師会主催の講演会でも使用できました。また、僕が個人的に参加している勉強会でもプレゼンテーション用に用いることができました。わずか2ヶ月半余りではありますが、コストパフォーマンスが高いパソコンではなかったかと思います。

この5万円パソコンですが、先日、某学会に参加の際、持参しました。モバイルパソコンとして本格的なデビューを飾ったわけです。僕にとって遠方でのモバイルパソコン初体験といったところでしょうか。泊りがけだった学会に初めてパソコンを持ち込んだのです。決め手はパソコンの重量でした、わずか1キロ程度の軽さでしたから、手荷物として持ち歩いていても気にならないのではないかと思ったのです。

実際のところは、わずか1キロとはいえ若干重さを感じました。ACアダプターも一緒に持っていたせいもあったかもしれませんが、何時間も持ち歩いていると微妙に手に重さを感じるのです。パソコンは非常に繊細な道具です。重たいからといってどこかに預けるなんてことはなかなかできません。非常にコンパクトであるパソコンであるが故、持ち運んでいるバッグを粗雑に扱っては故障の原因ともなります。そのため、常に携帯しながら持ち運んでいたのです。

ただ、気に入ったのはホテルに着いてからでした。最近のホテルは部屋の中までLAN回線がつながっている場合が多いもの。僕が宿泊したホテルもLAN回線があり、付属していた回線ケーブルに5万円パソコンをつなげると、直ぐにインターネットができたのは非常に便利でした。

インターネットはLAN回線に接続しただけで直ぐに楽しむことができました。非常に回線スピードが早く、快適でした。

僕が住んでいる地区は未だに光回線の接続サービス範囲外であり、ADSLも電話局の局舎からの距離が遠いためつながりません。現在は、かろうじて某携帯電話のハイスピード対応の無線でインターネットを接続していますが、それでも回線速度は下りで1~2Mb程度しかないのです。今回宿泊したホテルでの回線速度を計測したところ、70Mbありました。完全に光回線の速度です。普段、光回線のインターネットが楽しめないだけに、しばし高速インターネットを堪能しました。こうしたことができたのも5万円パソコンのおかげだと感じた次第。

この5万円パソコン、本日も某所の勉強会で使用する予定です。既にデータファイルをこのパソコンのハードディスクに記憶させ、無事試写も完了済みです。

僕にとってこの5万円パソコンは必要不可欠な活動ツールの一つとなっている今日この頃です。

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2008年11月26日 (水)

靴磨き屋初体験

靴磨き屋初体験

先々週末、某所で開催された学会に参加した話は既にここに書きましたが、某所へは近所の空港から飛行機で移動しました。近所の空港から某所近くの空港へは飛行機で1時間の距離。交通費や学会でのスケジュールを考えると、最もコストパフォーマンスが高いのが飛行機での移動でしたので、飛行機を利用しました。

それにしても最近の飛行機利用は便利になったものです。インターネットを利用して飛行機のチケットが購入できます。しかも、バーコードをプリントアウトしたものを持っていけば、そのまま検査場、そして、改札機も通過することができます。飛行機を頻繁に利用している方にとっては何を今更言うのだと突っ込まれるかもしれませんが、僕のように普段飛行機を利用しない者にとっては最近の飛行機チケットには驚きを禁じえませんでした。

そんなバーコードチケットを利用したせいでしょうか、思った以上に早く空港の出発場所に着いた歯医者そうさん。まだ、飛行機の離陸までかなり時間があったので何気なく周囲を見ていると、ある看板に目が行きました。それは靴磨き。この空港には靴磨きをしてくれる一角があったのです。料金は一人400円。しかも、5分以内に靴磨きをしてくれるとのこと。

僕自身、今まで自分以外の人に靴を磨いてもらった経験がありませんでした。飛行機の離陸まで十二分に時間もあることだし、自分の靴はあまりきれいな状態とは言えなかったこと、そして、何よりも一度は自分の靴を専門の人に磨いてもらいたいという好奇心から僕はこの靴磨きコーナーに入りました。

そこには靴磨きの職人さんが二人待機していました。僕は高い椅子に座り、差し出された靴台の上に自らの汚れた靴を置きました。初体験だったせいでしょうか、それとも、小市民まるだしだったかもしれませんが、非常に恥ずかしい気持ちになりました。しかも、職人さんは僕よりも年配の方。靴磨きの職人さんがいくらプロだとはいっても年配の方を見下ろすような形で椅子に座り、磨いてもらうというのは非常に居心地が悪い感じがしたものです。

ところが、靴磨きの職人さんはそのようなことは全く気にせず、ひたすら僕の靴を丁寧に磨いていきます。まず、水分を含んだ布で靴の汚れを大まかに取った後、へらに僕の靴の色に合わせた靴墨を適量取り、僕の靴に丁寧に塗っていきます。その後、ブラシで磨いた後、研磨。みるみるうちに僕の汚れた靴がピカピカになっていきます。日頃、自分でも靴を磨くことがあるのですが、如何に自分の靴磨きがいい加減なものかわかるくらい、丁寧に磨いていきます。しかも、全く動きに無駄がありません。非常に手馴れた手つきで決められた工程を効率よく行い、磨いていきます。見ていて爽快に感じました。職人さんの手つきのよさに思わず見とれてしまった歯医者そうさん。

そのうち、僕の隣の席にもお客さんが入って靴磨きをされていましたが、このお客さんは何度も利用しているせいでしょうか、悠然と新聞を読みながら靴磨きを受けていました。

そうこうしながら、

「はい、これで終わりました。」

という職人さんの声。

僕は直ちに料金を支払い、

「有難うございます」

と言い、靴磨きコーナーを後にしました。後から、

「いってらっしゃい」

という靴磨きの職人さんの明るい声が聴こえてきます。

始めよければ全て良しという言葉がありますが、幸先よい学会参加のように思えてならなかった歯医者そうさん。足元をピカピカにして颯爽と予定の飛行機に乗り込んだのでした。

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2008年11月17日 (月)

知らなかった恩師の危機

前回の日記にも書いたとおり、今週末、僕は某所へ学会に参加してきました。この学会、歯科関係の学会としては最も大きな学会だと思います。この学会に親父がポスターセッションで発表するということで、僕学会の資料作りを手伝っておりました。その関係かどうかわかりませんが、名前を載せてもらったため、土曜日を休診して学会に参加してきたわけです。

学会には日本全国から大学歯学部、歯科大学の関係者、病院歯科口腔外科医、一般開業医から歯科衛生士、歯科技工士、歯科業者に至るまで歯科関係者のオンパレードといってもいいくらい歯科関係者が一度に集まりました。四年に一回の開催であることも関係していたでしょうが、学会というよりは一種のお祭り的な雰囲気もありました。

それはともかく、今回の学会では至るところで知人、友人、先輩、恩師の歯科医、歯科衛生士に出会いました。

「おお、久しぶり。元気にしていた?」

「何年ぶりだろう?ちっとも変わっていないね。」

「先生にこんなところで会うとは思いもしませんでした。懐かしくうれしいです。」

学会の参加中、しょっちゅうこのようなことを言っていたような気がしてなりません。

ただし、ある先生出会った際、ショッキングなことを聞かされました。

M先生、一時期体調を崩されて危なかったんだよ。」

僕は全く初耳でした。M先生には大学院時代、僕が苦しかった時期に親身になって指導してくれた大恩のある恩師です。朝早くから大学に来て勉強をし、実験をする一方、人柄好かれていたせいでしょうか、M先生の下にはしょっちゅういろいろな先生が出入りしていました。教室の関係者はもちろん、他の教室の先生、他の学部の専門家、業者に至るまで。時には呑み屋のお姉さんからも電話が入るくらいでした・・・。M先生が普段座っていた机の周囲はいろいろな人の一種の憩いの場になっているかのような盛況ぶりでした。よくもこんな中で自分の仕事ができるなあと思いながらも、しっかりと自分の仕事は着実にこなしておられました。おそらく人の見ていない場所で相当勉強をされていたに違いありませんが、僕にはそのようなところはちっとも見せることなく、いつも明るく、元気で、活発に活動されていたのです。

そんなM先生が体調を崩し、一時は命の危険さえ危ぶまれることになっていたとは信じられませんでした。

M先生、相当無理をしていたんだよ。元気そうに見えるからいろいろな場所から頼みごとが集中してね。それをこなしている間はよかったんだけど、相当無理をしていたんだね。疲労が蓄積して体調を崩されたんだよ。一時は本当に心配したけど、みんなに好かれているだけあって、元気に快復されたんだよ。今は、某大学の○○部長にまでなられているんだけど、無理をしないでいつまでも活躍して欲しいよね。」

僕も全くの同感です。今でもM先生の方に足を向けて眠ることができないくらい恩を感じている僕としては、いつまでもM先生が第一線で活躍してくれることを望むだけです。

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2008年11月14日 (金)

学会参加

今週末、僕は某所で開催される学会に参加します。某所は僕が住んでいる場所からかなり遠方にあり、自宅から通える場所ではありません。そのため、僕は土曜日の診療は休診にして学会に参加することになっています。

学会というのは、特定の専門家同士が定期的に集まり、お互いの研究結果を発表したり、意見や情報交換、旧交を温める機会です。日本の歯科の世界では、気候の良い春先と秋に行われることが多いのが特徴です。

歯科の世界でも数多くの学会が存在するのですが、今回僕が参加する学会は、おそらく歯科の世界では一、二位を争うくらい大変大きな学会です。これくらい大きな学会になると純粋な学問的な目的よりも学会の合間、学会終了後の呑み会を目的としている歯医者が多いのではないかとも思うのですが、かくいう僕もそんな輩の一人です。一応、今回の学会では僕はあるテーマで発表することにはなっているのですが、あくまでも発表準備を手伝ったということでおまけで名前だけを載せてもらっています。自分が主体となって発表するわけではないので、気楽に学会参加できるのは有難いところ。しかも、学会の合間には某所の近くで開業している大学時代に親しかった友人と久しぶりに会うことになっています。どちらかといえば、学会参加よりもこの友人と会うことを楽しみにしているくらいです。

今回の学会は今日から明後日まで開催され、僕は明日と明後日参加予定です。明日の診療を休診にするのは心苦しいところはあるのですが、より良い歯科治療のための情報収集のため、そして、自らの気分転換のために出かけてきます。

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2008年11月10日 (月)

ある患者の死

先週末、診療をしていた時のことでした。うちの歯科医院に突然ある方が来院されました。

「先生にお礼を言いたい」

ということで来院されたのは、僕が見ていた患者さんYさんの家族の方でした。Yさんご本人ではなく家族の方が来られたのは一体どうしたことか?診療の合間にお会いすると

「先生、昨日、Yが亡くなりました。」

実は、Yさんは某病院で入院していた患者さんでした。血液に関係する癌を患っており長期療養していたのですが、抗癌剤を使用中、口の中に口内炎が多発していたのです。紹介を受けた僕は坊病院では往診し、口内炎に対する処置をしたのです。それ以来、僕は往診でYさんの口の中を時折診ていました。むし歯の治療や入れ歯の調整など、往診先での治療は普段の歯科医院での治療とは異なり、勝手が違い大変でしたが、何とかYさんが受け入れてもらえる程度に口の中は管理できていたようです。

ただ、主治医の先生からはYさんが癌の末期で余命いくばくもないことは聞いていました。

「残念ながら、Yさんの命はあと1~2ヶ月というところだと考えています。」

QOLという言葉があります。Quality of Lifeという言葉の略ですが、何らかの病気や障害で療養している人が少しでも快適に過ごすことができるような環境を整えることを指す意味で使われることばです。Yさんの場合も残された人生を、少しでもQOLが達成できるよう、口の中の状態を整える。僕はその目的のために往診をしていたように思います。

実際にはYさんは主治医の余命宣言より半年近く長く生きながらえることができたようですが、残念ながら先週末に鬼籍に入られたとのこと。Yさんのご家族の方曰く

「最期は苦しむことなく、笑顔で静かに逝きました。」

人には誰しも死が訪れるものですが、いろいろな死に方があるものです。中には不本意な死や苦しむように亡くなる方も少なくありません。Yさんの場合、自宅ではありませんでしたが、静かに人生を終えることができたということは、ある意味幸せな息の引き取り方ではなかったのではないでしょうか?このようなことをYさんの家族の方に話しながら、Yさんの冥福を祈った、歯医者そうさんでした。合掌。

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2008年11月 5日 (水)

キシリトール長者

先日、キシリトールについて調べることがあり、いろいろと調べていました。その際、感じたことのですが、一体どれくらいのキシリトール入り製品が出ているのか気になりました。昨今、キシリトールを含んだガムやキャンディーがコンビニやスーパーの店頭で並ぶことが多くなっていますが、どれくらいのキシリトール入り製品が店頭に並んでいるのでしょう?近所のスーパーで並んでいたキシリトール入り製品を買ってみました。

Xylitol

これはスーパーに並んでいたキシリトール入り製品の一部です。実際に近所のスーパーで並んでいたキシリトール入り製品の種類は更に多かったですが、これで2200円分のキシリトール入り製品です。購入したキシリトール入り製品はレジに持って行き、精算してもらい支払ったのですが、レジのおばさんが奇異な目で僕を見ていたのを僕は見逃しませんでした・・・。

それはともかく、よく耳にするキシリトールですが、キシリトールとは一体どのようなものかご存知でしょうか?

キシリトールとは甘味料の一種です。元来、白樺やプラムなどに含まれているものです。第二次大戦中、北欧の国フィンランドでは砂糖不足が生じ、キシリトールが代替甘味料として使用されました。その後、キシリトールは点滴に用いる輸液や糖尿病食に用いる甘味料として使われていました。このキシリトールがむし歯予防に効果的ではないかということで研究がはじめられたのは、先に書いたフィンランドという国が最初でした。

第二次世界大戦で代替甘味料としてキシリトールを用いた歴史があったフィンランド。第二次世界大戦後は、国民の多くがむし歯で苦しんでいた時期がありました。何とかむし歯を減らし、むし歯を予防するようにしなければならない。

むし歯の原因は蔗糖やグルコースと言われている砂糖が原因であることは知られていました。そこで、この砂糖の代わりにむし歯予防の効果がある甘味料がないかということで白羽の矢が立ったのが、第二次世界大戦中で使用されていたキシリトールだったのです。

ところで、むし歯を作る原因菌であるむし歯菌(ミュータンス菌)は砂糖(蔗糖)が好物です。ミュータンス菌は口の中に入ってきた蔗糖を食べた後、乳酸という酸を出すのですが、この乳酸が歯に穴を開け、むし歯となります。  

一方、キシリトールはミュータンス菌が好まない甘味料である特徴があります。そこで、甘味料として蔗糖の代わりにキシリトールが口の中に入ると、ミュータンス菌はキシリトールを食べることができず生きていくことができません。結果的に、ミュータンス菌の数は減り、むし歯になりにくい環境になるというわけです。

また、キシリトール入り食品を噛み続けると、口の中にはたくさんの唾液が出てきます。唾液が口の中にあればあるほど、ミュータンス菌は歯にくっつきにくくなります。むし歯菌が出した乳酸も中和され、むし歯になりにくい環境になります。キシリトールがむし歯予防につながるのは、このような理由があるからなのです。

現在では、世界各国でむし歯予防用の甘味料として用いられるようになったキシリトール。日本でも1997(平成9)年に厚生労働省が安全な食品添加物として認可して以来、キシリトールを含んだ食品が数多く世に出るようになりました。

それでは、キシリトール入り食品を食べれば歯磨きをしなくてもいいか?という疑問もわいてくるかもしれません。口の中を清潔に保つためにはあくまでも歯磨きが最も大切です。歯に付着した汚れを歯磨きで取り除き、キシリトール入り食品を食べることでむし歯になりにくい環境を作る。キシリトール入り食品は、あくまでもむし歯予防の重要な脇役として考えて欲しいです。また、人によってはキシリトール入り食品をたくさん摂取するとお腹が緩くなる場合もありますので注意が必要です。

そんなわけでたくさん購入したキシリトール入り製品ですが、これを見た下のチビが目を輝かせながら言いました。

「すごい量のお菓子だね。何だかお金持ちになったみたいだよ。毎日キシリトールの入ったお菓子が食べられるなんて!」

そんなつもりでキシリトール入り食品を買ったわけではないのですけども・・・。

下のチビにとっては、多くのキシリトール入り食品を目の前にして、キシリトール長者になった気分だったかもしれません。

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2008年11月 4日 (火)

独身のお嬢さん?

最近、うちの歯科医院では新しいスタッフが受付を手伝うようになりました。そのスタッフとは嫁さんです。

嫁さんは僕と結婚するまで某中学校の教師だったのですが、結婚を機会に退職し、以降は主婦となりました。結婚してから今まで、我々夫婦は二人のチビを授かったのですが、二人のチビたちが小学校へ行くようになり、少しは時間的な余裕が生まれてきた嫁さん。

多少なりとも持てるようになった時間の余裕はどうするか?いろいろと嫁さんも考えていたようですが、嫁さんとも話をした結果、少しずつうちの歯科医院を手伝うことになったのです。僕自身、嫁さんがうちの歯科医院を手伝うことに関しては、気分的には若干恥ずかしいところはありましたが、嫁さんさえ嫌でなければ手伝って欲しいと考えていました。何せ弱小零細歯科医院であるうちの歯科医院です。人件費をケチるというわけではないのですが、身内で歯科医院を手伝うことができれば、経営的には助かるところがあります。

ということで、少しずつ歯科医院の仕事をするようになった嫁さんですが、新しいスタッフにはそれなりの試練もあります。

僕自身そうでした。新任歯科医師としていくつかの医療機関で働いてきましたが、どの医療機関でも働き始めた頃はいろいろとあったものです。患者さんはもちろんのこと、スタッフである受付さんや歯科助手、歯科衛生士、看護師から時には奇異な目で見られたり、疑問をなげかけられたりしたことは何度と無くありました。

患者さんからは、僕が担当であることを知らされると、不安な声を出す方がいたり、中にはあからさまに僕の診療を拒絶するような方もいたものです。僕自身、何度と無く悔しい思いをしたものですが、これはどんな新人医師、新人歯科医師も一度は経験することでしょう。

この話は何も医療界だけではないでしょう。どんな業界でも新人に対しては風当たりが強い時があるものです。そこを我慢し、自分なりに知識と経験を積むことで自然と周囲から信頼を得ることができるもの。そのためには一定の時間は歯を食いしばって頑張らないといけないこともあるものなのです。

閑話休題、嫁さんの場合もいきなり上記のようなことがあったようです。

先日、受付である患者さんに問診表を書いてもらうようにお願いしたところ、

「以前に来た時に同じものを書きましたけど、もう一度書くのですか?」

とかなり強い口調で言われたのだとか。その調子が、今風に書けば上から目線で言われるような有様だったとか。嫁さん曰く

「何て高圧的な態度を示す患者なんだろう!」

その患者さんは僕の患者さんでした。僕が診療を続けて何度か来院されたのですが、誰から伝え聞いたのか、受付担当が僕の嫁さんであることに気がついたようです。ある診療が終わってから、その患者さんは僕に言ってきました。

「受付の方は先生の奥様だったのですか?私はてっきり独身のお嬢さんだと思っていましたよ!」

独身のお嬢さん?僕はそれは冗談でしょ?と言いたかったものの、受付に嫁さんがいたことを意識し、敢えて言わずに笑ったままにしていました。

診療終了後、嫁さんが僕に言いました。

「結婚して12年経っているけど、独身のお嬢さんなんて言われるなんて思いもしなかったわ。」

このようなことを言っている嫁さんの表情はまんざらでもない様子。

そこで僕は言いました。

「もしかして“どくしん”というのは“独身”じゃなくて“毒針”の間違いじゃない・・・・。」

嫁さんの薄笑いの表情が心なしか怖いように見えた、歯医者そうさんでした。

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2008年10月30日 (木)

原稿依頼

歯医者を長年やっていると、僕が歯医者であることがいろんな所で知れ渡ります。患者さんやご近所のみならず、地元の医療関係者、学校関係、嫁さんのママ友つながり、お袋や親父の付き合い先、弟の病院関連等々、思わぬ所で僕が歯医者をやっていることが知れ渡り、僕自身、驚くことが度々です。そのせいでしょうか、時々、僕のもとに歯や口に関する問い合わせや依頼が来るようになりました。歯医者として光栄なことではありますが、同時に責任の重さを感じます。

先日も、僕のところへ嫁さんを通じ、ある依頼がありました。それは、某団体からの原稿依頼です。某団体では定期的に会員向けに会報を発行しているのだとか。定期的に健康に関する特集を組んでいるそうで、これまで様々な医療関係の特集を取り上げてきたとのこと。来る11月8日は“いい歯の日”ということで、11月には是非歯や口の健康について取り上げたい。そのために原稿を書いて欲しいという依頼でした。

僕としては、この依頼を拒む理由は何もありません。いつまでも明るく、健康な生活を過ごすためには、毎日の食事が欠かせません。食事を取る際、必ず通る場所が口であり、歯です。食べ物をきちんと噛み、咀嚼し、胃腸で消化しやすいようにすることが健康につながります。一人でも多くの方に歯や口の健康の大切さを理解し、日々の歯や口の管理をすることが全身の健康につながる。歯医者として絶えず訴えていきたいことです。

僕は個人的に“歯医者さんの一服”日記でこのことを訴えてきましたが、インターネットのみならず、様々な媒体で訴えていく必要性は認識しているつもりです。

幸い、今回依頼を受けた某団体はいかがわしい団体ではなく、長年の地道な活動が評価され、多くの人に信頼されている地元の団体です。そのような団体から指名を受けて、原稿を書くというのは非常に有難いことです。

如何に歯や口の健康についてわかりやすく、理解しやすいように書くか?難しいです。先日も書いたことですが、医療業界人はついつい業界用語を駆使して話したり、書いたりする癖があります。自分では充分に情報を伝えているつもりでも、一般の方にとってはちんぷんかんぷんということが起こりがちです。平易な言葉を用い、一般の方と同じ目線、視点で原稿を書くようにする。試行錯誤しながら何とか書いていきたいと考えている、歯医者そうさんです。

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2008年10月29日 (水)

おやつは食べない主義

今まで何度か書いてきたことですが、僕にはいくつかのこだわりがあります。今日はそのこだわりの一つを書こうと思います。それはおやつを食べないこと。

僕は余程のことが無い限り、一日三度の食事は食べることにしています。三度の食事が一回でも抜けると、体に力が入らず、思考力も低下するように思えてなりません。そのため、朝食、昼食、夕食はしっかりと食べるようにします。

この三度の食事の間ですが、僕は何も食べないようにしています。何も胃の中に入れないというわけではありません。仕事の合間には水分を補給するように心がけていますが、何かお菓子やパンといった間食は絶対にしません。三度の食事の合間に胃の中に何か食べ物を入れると、胃の中がもたれるような気がしてならないのです。そうすると、肝心の仕事にも支障が出てくるように思えてなりません。

これは休みの日でも同様です。嫁さんや子供たちは午後3時にはおやつを食べていることが多いのですが、僕は絶対におやつは口にしません。何か飲み物を飲んだりはしますが、食べ物は口にしません。

夕食を取ってからも水分以外は口にしません。家で夜食を取ったことはほとんどないくらいです。理由は間食を取らない理由と同様、寝る前に胃の中に食べ物が入っていると落ち着かない、もたれるような感覚になり、翌朝の食欲に悪影響が出るからです。

ところで、僕が甘い物が嫌いかというとそうではありません。甘いものは食べますが、食べるのはいつも三度の食事の終わりです。食後のデザートという感じで甘いもの、菓子類や果物を口にするのです。

これを実践するようになってからあることに気がつきました。それは、体重が増えないことです。かつて、僕は間食をしていたことがありましたが、いつの間にか体重計の数字が増え、お腹周りが大きくなってきたことがあったのです。これはいかん!と思い、間食を避けるようにしました。

ただ、甘い物を食べないということはできませんでした。僕は生まれながらの甘党です。そこで、三度の食事が終わった後に食べるようにしてみると、意外と体重が増えないことに気がつきました。どうもだらだらと食べていると体重が増え、一日三度のペースで食事を取っている限り、体重が増えないようなのです。

ということで、僕はおやつは全く食べない主義です。これが良いかどうかはわかりませんが、少なくともこれまで体調が大きく崩れることはなく、仕事に支障が出るようなこともないようです。おやつを食べないことは僕の生活リズムに適しているように思います。

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2008年10月27日 (月)

不愉快なガム噛み

昨日のことでした。僕は専門書を買うために某大手書籍店を訪れるため、近くの駅から電車に乗りこみました。日曜日とはいえ、昼過ぎの電車の中は比較的空いており、僕はある座席に腰掛けることができました。持っていたバッグの中から文庫本を取り出し、読みながら目的の終点駅まで行こうとしていたのです。

途中、某駅に電車が停車した際、僕の隣にある男性の方が乗ってこられ、僕の隣に座りました。この男性、かなりの恰幅のある方でした。今風に言えば、典型的なメタボ体型だったのです。それだけなら僕はさほど気にならなかったのですが、この男性、席に座るなり股を広げて座られました。足の一部が僕の方に接触してきたのです。

“一体何をするんだ!”と思いましたが、あまり事を荒立てることをよしとしない歯医者そうさん。じっと我慢をしながら、手にしていた文庫本を読むことに専念するつもりでした。

ところがです。事はそれだけでは収まりませんでした。この男性、持っていたバッグの中から何やら取り出したのです。それはボトル入りのガムでした。ボトルの蓋を開け、数粒のガムを手に取るや否や直ぐに口の中に放り込んだのです。

“豪快にガムを口の中に入れるよな”と思っていると、この男性、当然のことながらガムを噛みだしたのです。単にガムを噛むだけならよかったのですが、

「ピチャ、ピチャ、ピチャ・・・・」

と大きな音を立てながら噛まれるのです。これには僕ばかりでなく、僕の周囲に座っていた乗客の人も思わず鋭い視線をこの男性に投げかけました。それはそうでしょう。この手の音を立てながらのガム噛みというのはエチケットに反します。特に、電車の中という公衆の面前では周囲の人に非常に不快を与える行為です。僕自身、幼少の頃には親に躾けられたものです。

「ガムを噛む時、“ピチャ、ピチャ”と音を立てながら食べるのは行儀良くないし、みっともないから止めなさい。」

ところが、この男性、周囲の目を気にするどころか全く意に介せず、噛み続けます。数分程度経った頃でしょうか、おそらくガムの中の甘味が無くなった頃です。この男性は再び、ボトルの中から数粒のガムを取り出し、口の中に入れ、

「ピチャ、ピチャ、ピチャ・・・・」

と大きな音を立てながら噛む始末。

このメタボの体型の方、顎の方も二重顎でした。このような方の場合、睡眠時にはいびきが凄い場合が多く、鼻で呼吸することが困難な口呼吸である場合が多いのです。そのため、ガムを噛みながら鼻で呼吸をすることができず、口を開けて呼吸をする。そのため、どうしてもガムを噛むと“ピチャ、ピチャ、ピチャ・・・・”と音を立てざるをえないのだろうかと、自問自答しましたが、それにしても、側で“ピチャ、ピチャ、ピチャ・・・・”と絶えず聞かされるのは精神衛生上、よくありません。非常に不快でした。

結局、終点駅につくまでほぼ20分間、僕はこの男性の“ピチャ、ピチャ、ピチャ・・・・”音に付き合わざるをえませんでした。終点に着くや否や、僕は急いでこの男性から離れました。

“ピチャ、ピチャ、ピチャ・・・・”音からホッとした次第。

皆さん、ガムを噛む時はきちんと口を閉じて音を立てないように噛みたいものです。もし、それができないような体質の場合、公衆の面前でガムを噛むのは控えましょう。

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2008年10月22日 (水)

大変失礼な通りすがり

昨夜は診療が終わってから地元歯科医師会の会合へ出かけました。日頃の診療だけではなく、地元歯科医師会の仕事をしている関係上、会合があるのは夜遅くになるのは仕方がないことですが、それにしても一日の診療で疲れた体を何とかごまかし、再度気合を入れなおして会合にでかけるのは結構つらいです。ここ1~2週間、地元歯科医師会関係の会合が立て続けにありましたから、余計にそう感じるのかもしれません。

まあ、個人的な愚痴はこれくらいとしまして、昨夜の会合の合間、地元歯科医師会の某先生から聞いた話は、思わず開いた口が開かない話でした。

「実はね、先日うちの歯科医院にある高齢の患者さんが来院したんだよ。初診の患者さんだったんだけど、最初から妙に落ち着きがないんだよね。患者さんに落ち着きがない場合って、体調が優れない場合も否定できないから慎重に診ながら問診を取っていたんだよ。そうしたら、僕の質問を遮るように問いかけてきたんだ。」

「『最近、新しい歯科医院が開業したからって聞いたものでこちらへ来たのですけど、どう見てもここは建物が新しくないし、器械も最新式のものじゃないですな。』って。“こいつ一体何を言い出すんだ!”と思ったんだけど、何とかこらえて、言ったんだね。『うちは開業して20年以上経過していますからね。数年前に改装はしたんですけど、残念ながら最新というわけではありませんね。』」

「そうしたら、その患者何と言ってきたと思う?『先生は○○先生じゃないんですか?』って。明らかに私の名前ではなかったので、否定したら、その患者さんはこんなこと言ったんだよ。『私、間違えていましたわ。本当に行きたかったのは○○歯科医院だったんですけどね。地図を見てここだと思い込んでやってきたのですけど。何か診療所に入ってから雰囲気が古くさいし、スタッフの人も年配。おまけに先生も若くないので変だなあと思っていたんですよ。』」

「大変失礼な奴ですね。いくら間違えたからと言っても礼儀があるはずなのに。」

「まあね、世の中にはいろんな患者がいるからね。まあ、他の歯科医院と勘違いしてやってくる患者もいるだろうと思い、何とか我慢しながら聞いていたんだけどね。ただ、さすがにその患者が次に言った言葉には堪忍袋の尾が切れたよ。」

「一体どんなことを言ったのですか?」

「その患者が言うには、『ここにいても埒があきませんので、失礼しますわ。ところで、先生、○○歯科医院ってどこにあるか知りませんか?』ってね。うちの歯科医院を勘違いしたくらいだったら笑って済ませられるけど、さんざんうちの歯科医院のことを酷く言った上に、○○歯科医院の場所を訊いてくるとはね。さすがの私もつい感情的になってしまった。『そんな歯医者知りません!』」

「その患者の反応はどうでしたか?」

「捨て台詞を残して出て行ったよ。『役にたたない先生やな』って。私も20年以上歯医者をしているけど、これほど大胆で失礼な患者に遭遇したのは初めてだったよ。患者というよりは失礼な通りすがりみたいだけどね。何だかテレビで放送しているコントみたいだけど、本当の話なんだよ。事実は小説より奇なりって言うけど、まさしくそのとおりのことが起こったよ。ああ、今思い出しても腹立たしい・・・。」

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2008年10月21日 (火)

冥土の土産を作りましょう!

「月末までに何とか入れ歯を作ることはできないでしょうか?」

このようなことを言われた来院された患者さんはSさん。正確にはSさんに付き添っていた娘さんが言われたのですが、これには理由がありました。

高齢のSさんはもともと九州の某所に住んでいたのですが、事情があって当地近くのSさんの娘さんの家に滞在していました。Sさんの娘さんはずっとお母さんの面倒をみるつもりでいたのだとか。ところが、Sさんは日に日に田舎のことが懐かしくなり、残り短い人生を田舎で過ごしたいと思うようになったのだとか。田舎では基本的には一人暮らしになるのだそうですが、近所には懇意にしている仲間が何人もいて、何か思わぬことが生じても直ぐに駆けつけてくれるような間柄なのだそうで、生活には困らないのだそうです。

当初、Sさんの娘さんはSさんが田舎に帰られることには難色を示していたそうですが、自分の親が田舎を思う気持ちを尊重し、最終的にはSさんに同意されたのだそうです。

そこで、田舎に帰るまでに口元だけはしっかりとして欲しいというSさんの娘さんの要望で、Sさんをうちの歯科医院に連れてきたというわけです。これが先月末のことでした。

実際に口の中を診てみると、残っている歯は少数でした。Sさん本人に確認してみると、

「今まで生きてきて一度も入れ歯を使ったことがない。」

残っている歯が少ないのに入れ歯を使用したことがない。一体どうやって食べ物を食べてきたのだろう?と思ったのですが、どうも軟らかいものを中心に飲み込むように食べてきたようです。

一度田舎に帰ってしまうと、なかなか歯医者に通うのは難しい。しかも、人生初めての入れ歯ということで、僕はSさんの満足のいく入れ歯をつくることができるかどうか自信がありませんでしたが、Sさんの娘さん曰く

「冥土の土産に入れ歯を作って下さいな!」

Sさんも僕も思わず笑ってしまいました。

「冥土の土産を作りましょう!」ということで入れ歯作りを作ることにしたのです。

月末に田舎に戻るということで、かなりの突貫工事的な忙しさで入れ歯を作りました。果たして入れ歯の出来はどんなものか?不安と心配で一杯でしたが、幸いなことに入れ歯の出来上がりはSさんの満足のいくものでした。

「何だか、10歳くらい若返りましたなあ。調子いいですよぅ。」

間髪を入れず、Sさんの娘さんが突っ込みます。

「冥土の土産には充分過ぎる入れ歯ですなあ、ハッハッハ・・・。」

まあまあ、冥土の土産と言わず、まだまだ当地の土産物として日常生活に使って欲しい。そのようなことを強く感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年10月16日 (木)

拝啓 主治医様

患者さんを診る際、最初に必ず行うことは患者さんの問診です。患者さんの主訴を聞き、実際に口の中や顔面、頭部、場合によっては全身の状態を探っていくわけですが、過去においてどんな病気や怪我になったかという既往歴や現在何らかの病気に罹っているか、どこか他の病院、診療所に通院しているかどうかも確認します。特に、ある程度以上の年齢の方は高血圧症、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病に罹っている場合が多く、通院治療しているケースがあるからです。

基本的には患者さんから話を聞きますが、中には患者さん自身の記憶があやふやであったり、誤解していたり、実際の症状と患者さんの認識が異なるケースもあります。患者さんを信頼しないわけではありませんが、歯医者として知っておきたいことは正確な医学情報です。患者さんから正確な医学情報が得られないような場合、僕は患者さんの了承を得てから、通院している主治医の先生がいる病院、診療所へ手紙を書きます。現在の患者さんの病状、病歴、検査データ、出している薬の内容等の医療情報を教えてもらうのです。

手紙のやり取りには多少時間がかかりますし、患者さんの症状次第では、主治医の先生からの情報を得る前に治療をしてしまうこともあります。しかしながら、主治医の先生から頂いた返事には正確な医療情報が添えられています。これは歯科治療を行う上で大変有用な情報となるのです。

患者さんの主治医に手紙を送る際、僕は必ず診療所の名前と主治医の先生の名前を書いて手紙を出します。ところが、場合によっては主治医の先生の名前がわからない場合があります。

また、患者さんを他の病院へ紹介するような場合、患者さんが指定された病院へ行く場合であれば問題ないのですが、時としてどこの病院へ行くか不確定な場合があります。このような場合、宛名には病院や診療所の名前をかかずに

主治医先生 御侍史

とか

担当医先生 御机下

といったような宛名を書きます。

僕はこの宛名の書き方は今もって好きになれません。そもそも、手紙というのは特定の相手に対して出すもの。宛名も特定の人の名前を書くのが当然ではあるのですが、先に書いた事情のように紹介先が決められないような場合、やむを得ず

主治医先生 御侍史

担当医先生 御机下

と書いてしまいます。非常に心苦しく感じますし、何だか無責任なことをしてしまい申し訳なく感じるのですが、何も書かないよりはいいと割り切って書いています。

できれば、このような書き方はしたくないのですけども。

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2008年10月 2日 (木)

講義をするのは難しい

これまで何回か書いていることですが、僕は歯医者をしながら週1回某専門学校で非常勤講師として学生に講義をしています。一年のうち半年は講義を担当しているのですが、夏休みの中断を終え、9月半ばから後半の講義が始まっています。

一回の講義は90分の講義ではあるのですが、毎度準備には休みの日が一日潰れます。しかも、最近週末は他用で家を留守にすることが多く、そのため、休みの日を講義準備に当てることができません。まあ、このことは何ヶ月も前からわかってはいたことなので、前もって準備はしてきたつもりですが、それでもいざ講義に臨もうとすると、いろいろと悩みます。

某専門学校で講義を担当して3年。既に何を講義すればいいかは充分に把握しているつもりです。ところが、僕の担当科目は細部に微妙な変化がある科目です。教科書をみていると、昨年までの内容と変更になっているところが何箇所もあり、その都度、自分が得てきた知識を修正しないといけません。そのため、前年まで作成していた資料が使えなくなることが頻繁にあります。学生には最新の知識を教えなければならない義務があります。過去の古くなったことを教えているようでは講師として失格です。

また、講義を続けていると少しでもわかりやすくしたいという欲求が強くなってきます。自分なりに担当科目を勉強していると、いろいろな発見があるもの。かつてわからなかったことが理解できるようになったり、以前無視していた内容が実は非常に大切なことであるようなことがあるのです。今更ながら学生時代にもっと勉強しておくべきだったと後悔しますが、学生には僕の過ちをして欲しくないという思いから、参考文献を読んだり、資料を作り直していると、正直言っていくら時間があっても足りません。

実際に講義をしていると、講義の時間配分にはいつも悩まされます。ここは是非強調しておきたい、この部分は熱く語りたい、学生には是非とも知ってもらいたい。講義にはそんな場面がいくつもあるのですが、そこで時間を費やしていると、その日の講義予定で説明できずに終わってしまう場所が出てきます。結局、軽く流すだけになってしまい、学生に迷惑をかけてしまう。そのようなことがしばしばです。

講義が終わった後は、いつも自問自答です。反省しきりです。自分なりに一日の講義を振り返りながら何が良くて、何が悪かったのかを振り返りますが、大きな声では言えませんが、今まで一度として満足のいく講義をしたことがありません。

このようなことを書くと僕の講義を聞いている学生に非常に申し訳なく思います。最低限、学生に知っておいてもらいたい場所はきちんと講義をしているつもりではいるのですが、果たしてそれが学生に充分伝わっているのか?少しでも伝わって欲しいと願いつつ、もっと講義について工夫をし、試行錯誤をしないといけないなあと感じます。学校の先生というのは毎日大変だろうなあ。そのようなことを思う今日この頃の歯医者そうさんでした。

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2008年9月30日 (火)

平服の意味を取り違えたかのように

く結婚式後の立食パーティや友達同士のお披露目会では招待状に「平服でお越しください」と書いてあることがあります。この“平服”の意味を取り違えて恥をかいた人はいませんでしょうか?平服というとどうしても普段着、カジュアルな服装と思いがちですが、実際は違います。平服は礼服に対する平服、正装に対する略装という意味です。具体的には男性であれば最低ダークスーツを着ていかないといけないのです。

僕もこの“平服”の意味を取り違えていた一人です。さすがに平服指定の催し物に普段着やカジュアルな服装を着ていったことはありませんでしたが、友達の中には見事に普段着で参加していた奴がおり、恥をかいておりました。イタイ経験だったとは思いますが、平服の意味を体で覚えた意味では貴重な経験だったことでしょう。

さて、どうして冒頭にこのようなことを書いたかといいますと、先週末、僕はこの平服の意味を勘違いしたかのような間違いを犯してしまったからです。

「そうさん、明日の服装、どんな感じにする?」

「そうだね、そんなに堅苦しい会ではないと思うからカジュアル系の服装でいいんじゃないかな。」

先週末の嫁さんとの会話です。いつも何処かへ出かける時、自分の服装は嫁さんに用意してもらっているのですが、先週の日曜日は朝が早く、前日に服装を用意してもらっていたのです。

実は、先週の日曜日は朝から僕が所属している某歯科関係グループの勉強会の日でした。2ヶ月に一度、海外の文献を読んだり、日常の診療記録について検討しながら意見を交換する会なのです。通常の勉強会ではお互いに言いたいことを言えるような肩の凝らない勉強会なのですが、先週の日曜日は1年に1度、外部から講師を招き講演を行ってもらう日だったのです。僕も非常に楽しみにしていた会で、いざ会場に足を運んだわけです。

ところが、その会場に入ってから僕は自分が非常に浮いていることに気がつきました。その理由は、いつも勉強会に参加している仲間が皆、スーツ姿や少なくともネクタイとジャケットを着用していたからです。普段は皆さんカジュアルな服装で参加しているのに、この日だけは皆さん妙にフォーマルな服装をしているのに驚きました。

“えっ、どうして皆さんスーツを着ているの?そんなこと何も聞いていないよ!”

後日、確認したところ、僕が参加している勉強会では、外部から講師を招いて講演をしてもらう時はフォーマルな服装をしていくことが不文律として決まっていたとのこと。そのことを僕が知らなかったようなのです。

よくよく思い起こせば、僕は外部から講師を招いての講演会の参加は今回が初めてでした。いつも参加している勉強会に入会して数年は経過しているのですが、講演会の日はどうしたことか他用が重なり、参加することができずにいたのです。僕にとって、今回が講演会初めての参加。

勉強会の他の先生は、僕が新参者ではないだけに既に不文律を知っているものだと思い込んでいたようです。そのため、事前にこの講演会の服装はフォーマルな形にすることを僕に伝えていなかったというのが真相だったようです。

何とかカジュアルな形ではあるもののジャケットだけは着用していましたが、それにしても、他の参加者がきちんとしたスーツ姿の中に一人だけカジュアルな服装という状況は恥ずかしくてなりませんでした。穴があったら入りたい。自分の判断ミスとはいえ、服装でKY(空気が読めない)状態になってしまうのは懲り懲りだと感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年9月29日 (月)

10月から歯科治療費値上げです

今日は9月29日。9月も残り2日となりました。明後日からは10月。この調子ではあっという間に平成20年も過ぎていきそうです。

さて、今頃伝えて遅すぎるとお叱りを受けるかもしれませんが、この10月から歯科の保険治療費が若干上がります。治療費が上がる項目は金属製の被せ歯、ブリッジや部分入れ歯などが相当します。

これまで何度か取り上げてきたことですが、歯科で用いる金属に対する費用は一種の公定価格となっています。国がその価格を決める仕組みになっているのですが、昨今の貴金属類の高騰により、実勢価格と保険診療で定められた金属価格がずれてくることが多くなりました。そのため、国では半年に一度保険診療で用いる貴金属の価格を見直すことになっているのですが、今回、この価格が上がることになったのです。その結果、10月から歯科医院でセットされる金属製の被せ歯、ブリッジ、部分入れ歯の治療費用が値上げすることになったのです。

この不景気の時代に値上げとは何事だ!とお叱りを受けるかもしれません。お気持ちわからないでもありませんが、実際のところ、我々歯科業界では国が定めた金属の公定価格が低いため、金属製の被せ歯、ブリッジ、部分入れ歯を作れば作るほど持ち出しになっていたのです。それくらい貴金属の実勢価格と国が定めた公定価格が違いすぎていたのです。国が定めた歯科用貴金属の公定価格が実勢価格よりも低く、逆ザヤ状態となっていたのです。

回の歯科用貴金属の公定価格改正で何とか逆ザヤ状態は脱せられたようなところがありますが、それも今後の貴金属相場の変動によってどうなるかわかりません。今後、貴金属の実勢価格が上昇すれば、再び我々歯科業界は持ち出しとなり、苦しい経営を迫られることになりかねません。

皆さんの中には10月に金属製の被せ歯、ブリッジ、部分入れ歯といった補綴物を装着される方がいるかもしれません。周囲に該当者がいらっしゃるかもしれません。誠に心苦しい限りではありますが、10月以降これら補綴物をセットされた時には9月よりも高い治療費になっていることを理解して頂きたいと思います。

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2008年9月24日 (水)

5万円パソコン購入

最近、僕はノートパソコンを持ち運んでプレゼンテーションする機会が多いのですが、持ち運びに便利なノートパソコンを探していました。これまで使用してきたノートパソコンはD社製のノートパソコンで、画面が15.4インチのもの。車で移動する際には問題なかったのですが、かなりの重量なので持ち歩くには何かと不都合でした。せめて1キロ程度のパソコンで持ち歩くことができそうなモバイルパソコンはないものか?僕が望んでいたパソコンは、日本の大手メーカー製のパソコンにもあったのですが、いずれも値段が20万円以上する代物ばかり。思い切って買うという手もありましたが、もっと安い価格のものはないかと物色しておりました。

この夏、海外のメーカーを中心に5万円代のモバイルパソコンがいくつも市場に出回るようになりました。僕自身、5万円代のモバイルパソコンは、安かろう悪かろうという先入観が強かったのですが、実際に某所でこれら5万円パソコンが展示してあり、触ってみたのです。正直なところ、悪くありません。性能も程よく、外部でインターネットやメールチェック、そして、僕が希望するプレゼンテーションソフトの使用などには充分に使用できるものでした。

念のために、インターネット上で情報を集めてみましたが、どの情報も5万円パソコンの評判は悪くなく、モバイル用やセカンドマシーンとして使用するのには充分とのこと。

ということで、先週末、僕がチョイスして購入したのがこの機種

他のメーカーのものと比べると、若干キーボードのキーが小さく、打ち難い傾向にありましたが、慣れれば問題ないように思えました。それよりも、ハードディスクが120Gあり、メモリーも1GB。基本ソフトはウィンドウズXPCPUAtomプロセッサーというモバイルパソコン用のCPUなのですが、実に軽快に動きます。発熱も少なめですし、バッテリーは3時間程度持つとのこと。画面は8.9インチWSVGAですから、画面の小ささには目をつぶらないといけないところではありますが、こればかりはモバイルパソコンの宿命でしょう。

重量が1キロ少しというのは持ち運ぶには非常に便利です。

先週末から必要なソフトをインストールしました。セキュリティ関係のソフトやプレゼンテーションソフト、オフィス系ソフトはこれをダウンロードし、インストール。

実際に使用してみると実に軽快に動きます。何よりも一番の目的であったプレゼンテーションソフトが問題なく動くのは心強い限り。早速、今日の某専門学校の講義から使用しようと思う今日この頃。

何だか今日の日記はこのパソコンの宣伝になってしまいました。

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2008年9月18日 (木)

親子患者漫才?

先日のことでした。ある患者さんの治療をしていると待合室からなにやら賑やかな声が聴こえてきました。何を言っているのかはわかりませんでしたが、普段静かな待合室が突然ふって沸いたかのような賑やかさ。時に豪快な笑いに満ち溢れた雰囲気に僕は驚きを感じざるをえませんでした。

“一体誰がいるんだろう?”

その正体は直ぐにわかりました。治療をしていた患者さんが治療を終え、診療室を退出するや否や別の患者さんが入ってきました。正確には二人連れ。ある高齢の患者さんとその付き添い方の二人連れでした。

治療に来られたのは高齢の患者さんの方でした。付き添いの方はこの高齢の患者さんの子供さんだったのです。子供といっても既に中年を過ぎている方ではありました。高齢の患者さんは杖を持ちながらの歩行。自分で歩行することは可能なのですが、ふらつきながら歩くということで子供さんの方が付き添っているという感じでした。

僕は早速高齢の患者さんに問診をしました。高齢の患者さんはしっかりと受け応えをされました。自分の入れ歯が割れてしまったので修理と新しい入れ歯を作って欲しいという希望だったのです。

「先生、新しい入れ歯を作って下さいな。」

高齢の患者さんがこのようなことを言うや否や子供さんの方が

「あんた、これ以上ええ入れ歯作ってどないするんや。美味しいものばっかり食べたら余計に太るで。今の入れ歯の方がダイエットになるんちゃうの。」

このように書くと何やらものすごい剣幕で言っているように思われますが、端から見ていた僕は思わず笑ってしまいました。なぜなら、この言葉のやり取りの雰囲気が何か漫才をしているようにしか見えなかったからです。

「そんなこと言ってもやな、いくら年食っても美味しいものは美味しいんだからなあ。」

僕は尋ねました。

「失礼ですがお年はおいくつですか?」

「93歳です。」

高齢の患者さんが言うや否や子供さんが直ぐに切り返します。

「もう直ぐ死にます。」

「あんた、まだわしはこの世の中に執着しているんやからもう少しだけ生きさせてや。」

「あんたの面倒はもう充分見た。後は勝手に死んでや。」

「いや死なん。そのためにも、先生、新しい入れ歯作って下さいな。」

「新しい入れ歯作って、もうしばらくあんたの顔を毎日見なあかんと思うと、気が遠くなりそうや。」

「どんどん気が遠くなってや。」

「やかまし!」

万事このような感じで治療中、話し続けた患者さん親子。お互い言いことを言い合っているようで、けんかになりそうなのですが、全く嫌味のない、後にすっきりとした感じがする会話でした。おそらく、この親子、一日中、ずっと漫才のような会話を続けているのでしょう。端からみていると笑いを堪えるのに必死です。

周囲の反応を意識しているかどうかはわかりませんが、お互い言いたいことを言い合いながらも全くストレスを感じていない様子。何ともうらやましい親子連れだと感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年9月12日 (金)

恩を仇で返すわけではないが・・・

先日、一日の診療が終わり帰宅すると、テレビで人気の某医療系番組が放映されていました。この日の番組のテーマは顎関節。顎関節に生じる様々な症状の原因を探り、治療法を紹介する番組だったのです。

何気なくこの番組を見ていると、番組の途中で専門家と称する人が登場してきました。この専門家、僕は直ぐに見て一体だれかわかりませんでしたが、アナウンサーによる紹介を聞き、僕は驚きました。その理由は、この専門家が僕の母校のK先生だったからです。

僕がK先生に学んだのは今からほぼ20年前でしょうか?当時、母校の助手(今は助教と名前が変わりましたが)であったK先生。僕はK先生の講義といくつかの実習を受けた記憶があります。個人的に付き合いがあった間柄ではありませんでしたが、一応僕はK先生に教わった学生でした。

僕が母校を卒業してからはK先生に会う機会はありませんでした。ただ、K先生の動向は時折伝え聞いていました。K先生が講師から助教授、教授となり、最近では付属病院の病院長まで出世をしたことは知っていたのですが、現在の姿を直接見たのは、今回のテレビ画面が初めてだったのです。

正直言って、K先生は年を食ったなあという感じがしました。無理もないことでしょう。K先生は今年60歳。還暦ですが、僕が学生時代にはK先生は40歳台前半だったのです。現在の僕と同じくらいの年齢です。僕のK先生に対するイメージは40歳台前半の記憶で止まっていました。そのため、その後20年の経過は全く知らず、いきなり20年後の姿を見せられたわけです。一種の浦島太郎状態になったかもしれません。あんなに若々しい感じだったのに、どうしてこんなに老けたのだろう?そんな思いがしました。

実際に話していた声も年齢を重ねた響きがしました。20年前はもっと張りのある声をしていたはずなのに、今はどこか力の無い声になっていたからです。落ち着きが出てきたといえばいいのでしょうが、僕には声にも高齢の響きを感じざるをえませんでした。

この日のK先生、顎関節の病気に関する専門家として、病気の説明、解説、質疑応答をしていましたが、口元を見てみると、見事に歯周病でした。これも年を重ねた結果と言えばそうなのかもしれませんが、K先生は歯医者でもあります。歯医者ならもう少し自分の口の管理に気を遣わないといけないのではないか?少なくとも歯周病になるのは問題があるのではないか?

恩を仇で返すのはよくないことでしょうが、それにしてももう少し自分の口元には気を遣って欲しい。そのことを強く感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年9月10日 (水)

人生っていくつかの例外がなければ退屈だろう

誰が言ったか忘れましたが、昨日、診療中にふと思い出した言葉がありました。

Life would be dull without a few exceptions.

人生っていくつかの例外がなければ退屈だろう。

誰でも何の苦労も無く安寧とした人生を送りたいものですが、そうは問屋がおろさないのが人生。誰もが思いも寄らない事件やトラブルに巻き込まれたり、思いも寄らぬ人と交わったり、出会ったりするものです。人生山あり谷ありとはよくいったものですが、誰もが多かれ少なかれ変化の富んだ人生を送るのは世の常です。そのことを物語った一つの言葉が上の言葉ではないかと思います。

さて、どうして昨日の診療中、僕がこのような言葉を思い出したかといいますと、それは全く同じ治療が連続して続いていたからです。

歯や口の中の治療といってもいろいろな治療があります。単にむし歯を削って、取り除いてから詰める処置があると思えば、むし歯が深く進行し神経にまで達していれば、神経の処置を行わないといけないこともあります。その後、歯を保存するために、詰め物をセットしたり、被せ歯を被せることもあるでしょう。

更にむし歯が深く進行していれば、抜歯してしまわないといけない場合もあります。

歯周病の治療の場合、基本的には歯磨き指導を行いますが、歯磨き指導がうまくいくようならば歯石を取り除く処置に移ります。歯周病が突然悪化するような場合もあります。そのような場合には、膿を出す切開処置を行い、抗生物質や炎症止め、鎮痛薬を飲んでもらうこともあるでしょう。

親知らずの周囲の歯肉が腫れたような場合であれば、炎症を抑えるような洗浄処置を行いながら、タイミングを見て抜歯なんてこともします。

歯の無い場所にはブリッジや入れ歯、場合によってはインプラントなんてこともあるでしょう。歯を白くしたい人にはホワイトニングなる処置もあります。

歯や口の中の処置といっても千差万別なのがよくわかっていただけると思います。ところが、時によってこれら処置のうち、特定の処置が重なってくる時があるのです。何人もの患者さんの抜歯が続いたり、詰め物の処置が続く、神経の処置が続く、入れ歯のセットが続くなんてことがあるのです。昨日は、神経の処置の人がずっと続いておりました。

これまでこのような経験は何度と無くしていましたし、おそらく歯医者ならば誰でも経験していることではありますが、それにしても、昨日は特別でした。具体的な数は言えませんが、永遠に続くのではないかと思われるくらい神経の処置がかたまっていたのです。いくら僕が歯医者であり、どんな患者さんの処置も公平に処置しなくてはいけない立場ではあるのですが、それにしても昨日のように延々と同じ処置ばかり続くと、結構気が滅入ってきます。気が滅入ると書くとお叱りの言葉を受けることは重々承知していますし、仕方のないことだとは思っていますが、同じ処置が続くと、時には何か別の処置もしたいなあと感じてしまいました。

患者さんが来院してくれるだけでも有難いのに、なんともワガママな欲求であります。

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2008年8月29日 (金)

相談にのることは苦しい

僕自身、歯医者ということが関係しているかもしれませんが、歯医者でない友人、知人から歯のことや体のことで相談を受けたことがあります。中にはかなり深刻な場合もありまして、非常に慎重に言葉を選びながらできる限りの答えをしたことが何度もあります。

自分の歯や体の悩みというのは、いくら知人や友人であってもなかなか言えない内容であることが多いもの。そんな悩みを僕に打ち合えてくれるというのは、ある意味僕が歯医者という医療人として認められ、信頼されている証かもしれません。非常に有難いことではあるのですが、その一方で非常に責任を感じます。医療目的として医療関係者に相談したり、紹介する以外は決して他人に漏らすことができない内容だからです。

皆さんご存知だとは思いますが、医療関係者には患者さんの医療情報に関して守秘義務があります。僕もこの“歯医者さんの一服”で書く内容も患者さんを特定しないように配慮して書いているくらいで、医療情報の取り扱いにはかなり配慮しています。

これは医療人としては当然の話だとは思うのですが、時に精神的なストレスも感じます。自分が相談にのることにより少しでも相談者の苦痛を取り除きたい気持ちはいつも持っているわけですが、その反面、その苦痛が蓄積していると何だか自分自身が苦しんでしまうような錯覚に陥ることがあるのです。適度に気分転換をはかりながら、この手の錯覚を発散するようにしているのですが、それにしても他の方の悩み、苦しみの話を聞くことは想像以上に大変です。

たまに友人、知人にこれら悩みを話したくなる衝動に駆られる時がありますが、これも必死に抑えます。何かアドバイスをする時や専門家同士の情報交換の場合、これら悩みは本人を特定しないよう配慮しながら話すことはありますが、他人の悩みは自分が墓場に入るまで持っていかないといけないと思うと、気が遠くなることもあるのです。

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2008年8月26日 (火)

小回りが効く歯医者

当地では、7月から8月にかけて暑い、猛暑だといっていた暑さでしたが、お盆をピークに暑さがましになったというか、若干涼しくなってきたように思います。過ごしやすい気候になってきたのは有難いことですが、いつもの時期だとまだまだ暑かっただけに拍子抜けというべきか、物足りない感もないわけでもありません。暑い時は早く過ぎ去って欲しいと思っていたくせに、いざ気温が下がると何だか夏の終わりを思い、名残惜しくなってくるようなところがある。何だか勝手なものです。

暑い夏場では、うちの歯科医院では診療開始前から冷房を効かせていましたが、今では診療途中の時間帯から冷房を効かせるようにしました。昼過ぎになると暑くなり、患者さんに不快な思いをさせますし、歯科治療の効率も下がります。それでも、診療開始してからしばらくの時間帯は冷房を効かせなくても問題がないようになりました。従って、夏場、診療開始前に行っていた冷房装置のスイッチオンを最近しなくなりました。 

この作業、一般家庭においても行っている当たり前の作業ではありますが、これが大きなビル、施設になるとなかなか臨機応変に対応することが難しいのが現状です。中央管理で冷房、暖房を操作していると、微妙な気温変化や時間操作をすることが難しいのです。大きな医療施設、大病院などはそうで、全館にわたって管理しようとしても、なかなかうまくいかないのが現状なのだとか。ある大学関係者の人の話では、4階建ての建物で冷房を効かせても、全館同じように冷房が効くわけではないとのこと。1階では冷房が効きすぎ、4階では冷房が効かない。2階と3階がちょうどいいなんてことが起こりうるのだそうです。最新式の建築物ではかなりこのあたりの調整がうまくいくような場合もあるのだそうですが、過去に立てられた施設の空調は使い勝手が悪い場所が多いのだとか。

そういった場所に比べれば、うちの歯科医院では小回りが効くといったほうがいいのかもしれません。弱小零細歯科医院ではありますが、こと温度管理に関しては微妙な変化に何とか対応し、患者さんに迷惑をかけない。こうしたところ、町歯医者、田舎歯医者の思わぬ利点なのかもしれません。

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2008年8月22日 (金)

仕事の引き際を考える

今月初め、僕が所属する地元歯科医師会の先輩の先生、H先生が急死されました。今年に入ってから体調がよくなく、自分の診療所を休診とし、治療に専念されていたのです。伝え聞く話ではかなり体調がもどってきて、間も無く自宅療養ができるとの話だったのですが、病態が突如急変し、帰らぬ人となったのです。

僕は通夜に参列させてもらったのですが、H先生と親しかった先生から話を聞くと、H先生は以前から60歳を過ぎれば徐々に持ち患者数を減らし、そろそろ完全に歯科医院を閉院しようとしていたそうです。ご子息もいたようなのですが、ご子息は歯科医師になることはなく某企業で務める会社員なのだとか。跡継ぎもなく、趣味人であったことから歯科医院を閉院後は、趣味に生きて悠々自適の生活を過ごそうとしていたのだとか。

その途中、思わぬ大病にかかり、病気療養中だったのだそうです。

このことを訊くと、僕はいつまで仕事をすればいいのだろうか?と考えてしまいます。個人開業の歯医者の場合、会社や役所に勤務している方と同じように定年というものがありません。基本的には自分の意思で好きな時に引退することができるのです。極端な話、命ある限り引退しなくていいのが個人開業医であるわけですが、それ故、仕事に一途な人が多いのも事実です。

僕の親父などはその典型です。今年喜寿を迎えたうちの親父ですが、昨年、大病をしたこともあり、以前に比べれば勤務時間は大幅に減少しましたが、それでも一日に必ず診療所に出て来ては患者さんの治療をしています。昔からの馴染みの患者さんが中心ではありますが、それでも、好きなことを言いながら悠々自適に治療をしている姿を見ていると、これは下手に引退勧告をしない方がいいなあと思わざるをえないのです。

退職後の一日の過ごし方がわからず、四苦八苦する人が多いという話を聞きます。昨今の少子化のことを考えると、将来、社会を背負う人たちの数が少なくなってくるのは事実です。現役時代、仕事に専念してきた人はどうも自分の仕事を取り上げられると、もぬけの殻になってしまうような人が多いことを考えると、多少給与が低くなったとしても、死ぬまで働くというライフスタイルが、結局のところ、健康維持にいいのかもしれない。

地元歯科医師会のH先生の葬儀に参列して、そのようなことを感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年8月 7日 (木)

持つべきものは友

先日、ある患者さんから相談を受けました。

「仕事の都合で関東方面に転勤することになったのですが、信頼できる歯科矯正医を紹介してもらえないでしょうか?」

何でもこの患者さんの子供さんが近所の矯正歯科医院で矯正治療を受けていたそうですが、この患者さんの転勤のため、矯正治療を受けられなくなりそうなのです。まだ、矯正治療を受け始めて1年経過したばかり。

矯正治療の場合、1ヶ月~3ヶ月に一度は受診しないといけません。この患者さんの場合、関西に戻ってくることができるのは、せいぜいお盆の時期かお正月の時期だけとのこと。今までの担当医が治療を行うことは困難です。それであれば関東方面の歯科矯正の先生に治療の続きをお願いしないといけないのですが、かかりつけの矯正治療の先生はこの患者さんの転居先近くに知っている矯正医がいないとのこと。自分が紹介できないので転居してから自分で探して欲しい。紹介状だけは書いておくからとのことだったのです。そのため、ご自身の歯の治療の際、僕に相談を持ちかけたようなのです。

正直言って、このような相談は僕も困ります。今住んでいる関西方面であれば、何人か自分の知り合いの歯科医、歯科矯正医がいますから、ここへ行けば良いと勧めることができるのですが、全く自分が知らない土地となると話は違います。今回の矯正の先生が言われることもよくわかるのです。自分で探して欲しいとしか言いようの無い場合が多いのです。

今回、僕は何気なくこの患者さんに転居先を聞いてみました。すると、某市○○区とのこと。この住所を聞いた途端、僕は思い当たるところがありました。そして、大学時代の同窓会名簿を調べてみると、そこには僕の大学時代の親友の一人が開業しているではありませんか?患者さんには一度調べてみると返事しておき、診療が終わってから僕はこの親友のところへ電話をかけてみました。

「突然誰からの電話かと思ったらそうさんじゃないか?いったい何用だい?」

学生時代と変らぬ話し振りに思わず懐かしくなりながらも事情を話すと、

「うん、それだったら僕がいつも紹介する矯正歯科医院を知らせるよ。」とのこと。

メールで知らせてもらった矯正歯科医の住所を見てみると、そこは、なんとこの患者さんの転居先と同じ町内であることがわかりました。なんという偶然でしょう?

僕はこの患者さんにこのことを伝えると、大変喜んで下さいました。

「先生、有難うございます。ここなら安心して通えるところです。何も知らない土地ですから、転居する前から貴重な情報を教えてもらえるのはうれしい限りです!」

後日、今回世話になった友人にお礼のメールを送りました。するとメールの返信で

「どうだい、持つべきものは友だろう?この借りは高いぜ(笑)」

この秋、僕は関東の某所で学会発表をする予定なのですが、学会参加の日の夜は、この親友に食事をおごることになりそうです。

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2008年7月11日 (金)

パソコンは忘れた頃に潰れていく・・・

悪い時は重なるといいますが、この1週間うちの歯科医院ではまさにそんな状況でした。悪いといっても診療そのものが悪いというわけではありません。診療で用いるパソコンの不具合が続出したからです。

事の始まりは、デジタルレントゲン装置で用いるホストコンピューターでした。先週末、スタッフの一人がいつもと同じように新患の患者さんの登録をしようとホストコンピューターを立ち上げたところ、MSIMEという文字を入力する言語バーが表示しないことに気がつきました。いろいろと設定を調べていたのですが埒があかず、何度か再起動を繰り返しているうちにMSIMEの症状がおさまりました。

ところが、その解決とほぼ同時に思わぬことが発生しました。それは、ホストコンピューターの基本ソフトであるウィンドウズXPプロフェッショナルの起動画面が表示されなくなったのです。突然、MSDOSの画面が映ると同時に起動がストップする症状。幸いなことにあるファンクションキーを押せば基本ソフトは立ち上がり、業務に支障はきたさなかったのですが、それにしてもどうしてこのようなことが起こるのか皆目わからず、結局専門家に来てもらいました。

その結果は、ある一つの設定が変わっていたことが原因だったことが判明。うちにやってきた専門家がその設定を変えるやいなや基本ソフトは問題なく動き始めたのです。どうしてこのような事態になったのかは業者もわからないとのこと。僕が事の次第を説明したものの、

「直接結びつくようなことではありませんね。」

何が原因だかわからず気分は晴れませんが、とにかくデジタルレントゲン装置用ホストコンピューターは正常に作動するようになりました。

時同じくして、受付のパソコンの一台もおかしくなりました。受付のパソコンでは患者データを入力し、日常の診療記録を打ち込んでいくデータベースです。月始めにはレセプト(診療報酬明細書)の作成にも使用するのですが、このパソコンのキーボードが突然おかしくなったのです。おかしくなったのは、キーボード上のテンキーでした。0を押すと01と表示されたり、9と押すと9+と表示されるのです。これも当初はいろいろと設定を調べてみたのですが皆目わからず、業者を呼ぶことに。その結果、ソフトやパソコン本体は全く問題が無く、テンキーの基盤が突如おかしくなったのではないかという結論に達しました。そこで、急遽キーボードごと交換。そうすると、テンキー問題は一挙解決。

時またまた同じくし診療所のもう一台のノートパソコンの調子もおかしくなりました。このノートパソコンには仕事で使用する様々な文書や写真を登録していたのですが、使用しようと立ち上げようとしても、全く立ち上がりません。最初は電池の問題かと思ったのですが、どうも電池ではありませんでした。リカバリー用のディスクを探そうとしたのですが、普段の管理がいい加減なせいかそのようなディスクもなく、これも打つ手無く専門家を呼ぶことに。その結果、ハードディスクそのものが潰れている可能性が高いという結論に達しました。現在、このノートパソコンは業者が持ち帰り、ハードディスクの交換をしているのですが、昨日、無事交換し、正常に起動することを確認したという連絡が入りました。幸い、ノートパソコンのデータはまめにバックアップを取っていたので、データの損失は免れましたが、それにしても突然の起動不能にはあわてるばかり。

いずれのケースもメーカーの保証で何とかカバーすることができ、うちの歯科医院の持ち出しがなかったのは幸いでしたが、いずれのパソコンも使用しはじめて4~5年経過している代物でした。うちの歯科医院だけではないと思いますが、最近の医療機関ではパソコンなしでは成り立たないくらい、様々な業務をパソコンに依存しています。仕事の効率化の上でパソコンは非常に有用なツールではありますが、耐用期限が重なっている場合、一挙に複数台のパソコンの調子がおかしくなる。指摘されるまでもないことではありますが、パソコンに依存することが日頃の診療で多いため、これは非常にリスクのあることだと改めて感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年7月10日 (木)

歯医者の死に方談義

昨夜、僕は地元歯科医師会の夜の会合があり出席してきたのですが、いつものように会合前に何人かの先生と雑談をしておりました。そこで話題になったのが地元歯科医師会のベテラン先生T先生のことでした。

T先生は齢60歳の先生なのですが、最近、脳梗塞になり入院治療中とのこと。見舞いに行った先生の話によれば、命は助かったものの手足の麻痺が残り、歯科治療を続けることは不可能に近いとのこと。T先生の診療所に通っていた患者さんについては近隣の歯科医の先生にお願いをし、迷惑をかけないように手配しているそうですが・・・。

つくづく、そして、あらためて歯医者稼業も体が資本であることを感じさせられた話だったわけですが、その後、雑談の流れは歯医者の死に場所のことに変わったのです。

興味深かったのは、雑談に参加していた歯医者の先生はほとんどが家の畳の上で死にたいとい言われていたことでした。病院のベッドの上で死ぬよりも、自分が日常生活している家で一生を終えたいという意見が多数だったのです。そのような中、雑談に参加していた先生の一人、Y先生がこのようなことを言われました。

「おれは歯医者バカだから、同じ死ぬなら治療をしながら死にたい!」

周囲からは

“そんなことなったら患者さんに多大な迷惑をかけますよ!“

という意見が大勢を占めましたが、Y先生は頑として自分の意見を譲りません。

「歯医者というのは自分の天職だと思うから、自分の仕事場である診療チェアで一生を終えることが私の理想だ。」

かつて、クラシック音楽の某有名な指揮者がオペラ劇場のオーケストラピッドで指揮をしている最中、突然倒れ、鬼籍に入ったというニュースが流れたことがありますが、これなどはまさしく自分の天職である仕事をしている最中に命を落とすという、ある意味壮絶な最期だったといえるでしょう。亡くなった本人にすればどうか?死人に口なしですから亡くなった本人の本当の気持ちは知る由もありませんが、少なくとも死の恐怖に悩まず、悩む間も無かったことは確かでしょう。先生自身もこのような考えのもと、自分の一生を終えたいと強く願っていることが容易に想像できました。

ちなみに、僕は同じ死ぬなら自宅の畳の布団の上で眠るように息を引き取りたい方です。歯医者であることに誇りは持っておりますが、診療中に倒れるということは何だか患者さんに醜態をさらすような気がしてならないのです。死に方に関して誰も好き勝手に選択することは不可能でしょうが、同じ死ぬなら静かに消えるように世の中から姿を消したいですね・・・。

ただし、僕はまだまだ世の中に執着したい性質ですから、今はまだまだ仕事に、家庭に、自分の趣味に打ち込める生活を続けていきたいです。今死んでたまるか!ってところです。

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2008年7月 9日 (水)

あなたの給料教えてと言われて・・・

昨日、ある書類を期限ギリギリで郵送しました。その書類とは、平成20年度賃金構造基本統計調査。

賃金構造基本統計を初めて目にされる方もいると思いますので、若干説明をば。

賃金構造基本統計調査とは、労働者の賃金の実態を、産業、地域、企業規模、労働者の性、学歴、年齢、勤続年数などの別に明らかにすることを目的とした調査です。昭和23年以来毎年行われている調査なのだそうで、厚生労働省が行っている調査のひとつです。統計法により最も重要な統計の一つとして指定統計の一つなのだそうです。

この調査は全国の事業所を無作為に抽出し、選び出した事業所に対して調査を依頼する方式を取っているようで、どうやら今年度、医療関係の事業所の中の一つにうちの歯科医院が調査対象に選ばれたようなのです。送られてきた書類は2種類あり、一つは事業所全体の状況を報告するもの、もう一つが事業所に勤務する労働者の個別の状況を報告する書類でありました。

僕はこの調査に協力するかどうか迷いました。なぜなら、いくら厚生労働省が行う調査とはいっても、義務ではなく任意の調査でしたし、何よりもうちの診療所の僕や親父、スタッフの給与を正確に報告するのが嫌だったからです。

給与、賃金というのは事業所にとって非常にデリケートな情報の一つです。できることなら誰にも知られたくない、公にしたくないのが経営者としての正直な気持ちではないかと思うのです。いくら政府による統計調査だといっても、うちの歯科医院の情報が筒抜けになるような気持が強く、僕はこの調査に協力するかしないか迷っておりました。

そんな中、提出期限ぎりぎりになってから僕は決断しました。調査に協力しようと。その理由は、スタッフの給与を冷静に見直すきっかけになるのではないかと感じたからです。スタッフに対する給与は僕自身充分過ぎるほどわかっているつもりでしたし、今のうちの歯科医院の経営状況を考えても最大限の誠意を示しているつもりでした。

ところが、実際に数字に書いて見直してみると、客観的な数字の印象と自分のイメージとが若干異なるような感がしました。あの人はこれだけもらっていたのか?この人は勤務時間のわりには、少ないなあ等々。

そして、いざ、返送することになったのですが、書いた調査票をみて、あらためて我が歯科医院の経営がいろいろな苦労を重ねていることも見えてきました。今回の調査、自分の恥ずかしいところを観られているような気もしつつ、自分の置かれている状況、経営状況を冷静に見つめられる機会に恵まれたと感じた、歯医者そうさんでした。

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2008年7月 8日 (火)

あまりにも臭い!

昨日の朝のことでした。午前中の診療をしようと診療開始30分前に診療所の玄関を入ると、待合室には既にある患者さんが来院しておりました。朝一番の患者さんでした。まだ診療が始まるまで時間があるのになあと思いながら、その患者さんに挨拶をしようとした時、僕は驚きました。その理由は、待合室に異臭が充満していたからです。

“なんだこの臭さは!”

汚い話で恐縮ですが、何か大便のような臭いがしたのです。明らかにこれはオナラの臭いでした。

自宅の隣にある診療所ですので、僕は毎朝起床すると、必ず診療所に行き、玄関のシャッターを開け、窓を開けます。そして、必要な機器の電源をオンにしたり、診療の準備をするのが日課となっています。その後、この日記をアップしたり、朝食を取ったりし、身支度してから、診療所に入るということをしております。

昨日も起床後、診療所に出向いた時には何も異臭は感じませんでしたので、この異臭は明らかに僕が一度診療所を離れてからのものでした。スタッフはまだ来院していない状況を考えると、おならを発した張本人はというと、一人しかいません。どう考えても朝一番に来院した患者さんの可能性が高かったのです。患者さんには失礼かとは思いましたが、あまりの臭さに僕は窓を開け、空気の入れ替えをさせてもらいました。

その後、診療が開始となり、朝一番の患者さんに入ってもらったのですが、口を開けてもらうなり、またも異臭がしました。今度は何か卵臭い感じの臭いで、明らかに口臭でした。この患者さんは総入れ歯の患者さんだったのですが、総入れ歯の表裏にびっしりと食べかすがついているではありませんか!常日頃、入れ歯を装着している患者さんには、入れ歯の清掃の大切さを説いているのですが、患者さんの中には入れ歯の清掃に全く無頓着というべきか、関心の無い方もいます。昨日の患者さんもそのような患者さんの一人だったのです。

僕は毎日何人も患者さんの息を吸わざるをえない立場ではありますが、そんな僕でも眉をひそめたくなるような臭い。僕は直ちに入れ歯を口の外に取り出し、スタッフに入れ歯の清掃をお願いしました。僕は僕でこの患者さんの口の中の歯ブラシをする始末。

“診療前には歯を磨いて下さいね”

うちの診療所の受付にはこのような掲示をしているのですが、今回の患者さん、どうもまともに歯を磨くという発想があるのかと疑いたくなる人でした。

幸い、歯を磨き、入れ歯を清掃することで強烈な口臭はましになり、治療を開始することができたのですが、この臭いに本人が気がつき、臭いを無くそうとする意思が無い限り、せっかくの治療も意味がないのですが・・・。

それにしても、朝一番からの強烈な臭い攻撃はまいりました。昨日一日、何となく診療リズムが悪かったのはあの連続した臭い異臭を浴びたからではないかと思いたくなった、歯医者そうさんでした。

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2008年7月 7日 (月)

患者に厳しく言いたい時もある

今更言うまでもないことですが、自分の体は自分で守るものです。他人は誰も守ってはくれません。医者や歯医者などは患者さんからの訴えを聞き、何が原因か医学的知識をもとに探り、何らかの処置を行うのが本来の役割です。患者さんが自らの体の異常を察知し、治さなければならないところ、専門家として患者さんの代わりに原因をさぐり、患者さんに治療法を提案し、実践するのです。この点、意外に思われる方も多いかもしれませんが、考えてみれば当たり前のことで、自分の体に起こった様々な不調や症状の責任は突き詰めれてみれば全て自分に原因があるものなのです。

どうしてこのようなことを書いたかといいますと、最近、患者さんの中にはどうも医者や歯医者に依存しすぎている人が多いのではないかと思うことが何度もあったからです。

“歯医者へ行けば、むし歯は治るだろう“

“歯医者へ行けば、歯槽膿漏は落ち着くだろう”

と心底信じきっている患者さんが多いのです。僕はその都度、患者さんには歯医者での治療はあくまでも応急処置、対症療法に過ぎない。真の原因治療は患者さん自らが常日頃実践していかなくてはならないことを伝えているのですが、どうも僕の意図するところを真に理解している患者さんは少ないのが現状です。

僕の説明の仕方にも問題があることは重々承知しています。自分がもっとわかりやすく、患者さんの立場にたって歯の健康の大切さ、普段からの心がけ、自己管理の重要さを伝えなくてはいけないのですが、それがなかなか伝わらない。どうしたらよいのか?時には患者さんに厳しく、叱りつけるように諭さなければならないのかもしれません。

“どうして俺の言うことを理解しようとしないのだ。もっと自分の体のことを真剣に考えてくれ!”

何度口を開いて言おうとしたことがあったでしょう。しかしながら、僕はこれまで一度も厳しい口調で諭すようなことを言ったことがありません。それができないのです。

歯医者稼業も医業とはいえ一種の商売です。患者さんが何人来院して経営が成り立つという側面があるのです。そのため、患者さんに厳しく当たることでその患者さんが二度と来院しなくなる。そんな思いがどこか心の片隅にあるのは事実です。しかしながら、真に患者さんのことを思うなら、時には厳しく叱責することも必要ではないか?

難しい問題です。いくら歯医者が一生懸命熱意をもっていたとしても、患者さん側に関心がなければ馬の耳に念仏です。如何に患者さんの関心を引き出し、患者さんの利益にかなうことを実感させ、持続させていくか?おそらくほとんどの医者、歯医者がこのような悩みを持っているはずです。押してもだめなら引いてみる。アメとムチではありませんが、時には患者さんに適度な刺激を与えることも必要なのかな?最近、そのようなことを自問自答すること多くなった歯医者そうさんです。

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2008年7月 4日 (金)

太っ腹上司に感激

昨日は、午前と午後の診療の合間に地元医師会の会館へ出かけてきました。地元医師会主催の市民向け健康講座に地元歯科医師会の上司の一人K先生が講師として講演することになっていたのです。この度の講演会、K先生はパソコンのプレゼンテーションソフトを利用して講演を行うことになっていたのですが、K先生はパソコンに疎く、どうやって使用、操作すればいいのかわかりませんでした。そこで、僕に白羽の矢が立ち、手伝うことになったのです。

当初は単にパソコンやプレゼンテーションソフトの使用法を伝授するだけの予定だったのですが、いつの間にか僕がプレゼンテーションそのものを作ることになってしまったのです。何かと雑用の多い中、かなりこの講座の準備のために時間を作ることには苦労をしましたが、何とか時間をやりくりし、K先生とも何度も打ち合わせを行いながら昨日を迎えたというわけです。

実際の講演は特に大きな失敗やミスもなく、講演終了後、多くの質問も出たことから成功裡に終わったといえるでしょう。今回、僕は完全な裏方として仕事をしてきましたが、K先生が恥をかくことなく、地元歯科医師会代表として立派に講師を務められた姿を見て、内心ほっとしておりました。

講演終了後、僕は車を置いていた駐車場へ行く時のことでした。K先生の講演のことを話しながら歩いていたのですが、僕が車に乗ろうとした時、K先生が突然言い出されたのです。

「そうさん、今回の講演の手伝い、本当に有難う。これは僕の気持ちなので受け取って欲しい。」

K先生が懐から出されたのは封筒でした。見てみると、封筒には地元医師会の名前と会長名と謝礼の文字が書いてありました。封は全く開いておらず、これは講演を行った演者に対する謝礼金であることが直ぐにわかりました。この謝礼金をK先生は僕にそのまま渡すというのです。

「先生、それはいけません。僕は単に先生の仕事を手伝っただけで、いい経験をさせてもらったと思っています。この封筒はあくまでも先生の講演に対するものですから、僕が頂く性質のものではありません。」

K先生は全く引き下がりませんでした。

「今回、講演が滞りなく終わったのもそうさんの協力のおかげだよ。ただ働きさせるというのは僕の美学に反することなんだ。一番仕事をしてくれた人に謝礼を渡すのは当然のことだよ。」

僕はその場では受け取らざるをえませんでした。しばらくしてから、僕は地元歯科医師会の会長に電話でこのことを伝え、謝礼の扱いについてお伺いをたてました。会長の答えは

K先生の心の底からの気持ちだと思うから、これはお返しするのはかえって失礼。ここは有難くもらうのが一番じゃないですか。」

ということで、僕は予想しなかった給金を得ることができました。確かに僕は仕事の手伝いはしましたが、主役ではありませんでした。そんな僕に自らの謝礼金を全て手渡すとは。

先生のお気持ちにひたすら感謝、感激した、歯医者そうさんでした。

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2008年7月 3日 (木)

事前の日程調整がないと・・・

昨日、某専門学校の講義を終え、帰宅すると一通の僕宛の手紙が届いていました。封を開けてみると、中には僕が学校歯科医をしている地元小学校からの案内が入っていました。内容は、学校保健委員会を開催するので参加して欲しいというものでした。

学校保健委員会とは、学校の保健計画の立案や実施の評価、健康診断結果の評価と対策、疾病の予防、環境の美化、清掃、学校行事や長期休暇における保健問題の討議などを行う委員会です。学校長が主催し、児童会・生徒会の代表、教職員の代表、PTAの代表、地域保健期間の代表とともに学校医、学校歯科医、学校薬剤師などが参加し、議論を行う委員会で、年に1~2回程度行われるのが普通です。僕も地元小学校の学校歯科医ということで、毎年行う定期検診や就学時検診以外にこの学校保健委員会には積極的に参加をしています。

僕自身、学校歯科医ということで学校保健委員会には必ず参加しようと思っていたのですが、開催日程を見てびっくりしました。開催日が2週間後だったからです。実は、同じ日に僕は同じ学校保健委員会と同じ時間帯に地元歯科医師会がらみの公務があり、どうしても参加しなければならなかったのです。

正直言って、僕は地元小学校側にもう少し配慮があるべきではないかと考えました。僕自身、いくら青息吐息の零細歯科医院の院長だとはいっても、毎日何もしていない身ではありません。患者さんの治療をしながら、合間に地元歯科医師会の仕事や某専門学校の講義の準備、その他いくつかの仕事をしております。決して暇ではないのです。

せめて1ヶ月前くらいに日程調整をしてもらえれば、僕自身、何とか学校保健委員会の参加時間を作ることが可能だったわけですが、ところが、開催日まで2週間となると、さすがの僕でも日程調整は不可能です。

一ヶ月前、学校歯科検診の際には一年生相手の授業の依頼をされていましたし、実際に授業の準備もし、授業を行ったのですが、学校保健委員会のことは全く聞かされていませんでした。

何だか学校側が自分たちの都合で勝手に日程を決めてしまったとしかいいようがありません。学校側には学校側の事情があったかもしれませんが、それにしても、あまりにも急な学校歯科委員会の開催通知。別な見方をすれば、学校歯科医である僕の参加を拒むために無理やり予定がつきにくい日程を組んだとも言えなくない。そう受け取っても仕方のない日程設定です。

僕は学校側に欠席の返事を出さざるをえませんでした。これまで欠かさず参加してきた学校保健委員会であっただけに、事前の日程調整の連絡がないまま決められた委員会に納得がいかず、精神的なストレスが溜まる一方の歯医者そうさんでした。

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2008年7月 1日 (火)

もしも、相手の心のうちが全てわかる人が患者ならば・・・

以前、誰かのSF小説の主人公設定の一つに他人の心の内が全て瞬時にしてわかるというものがあったように思います。これって非常に興味深い人物設定だと思います。なぜなら、世の中の人は自分と相対している人の気持ちはわからないものですから。もちろん、向き合う人の表情や雰囲気、行動、言動パターン、そして、これまで培ってきた人生経験などからどのようなことを考えているのか推測することは可能でしょうし、推測が当たる確率はかなり高い人もいるでしょう。が、会話を直ぐに理解するが如く、相手の心の内がそっくりそのままわかる能力というのは、おそらくほとんどの人が持っていないものと思います。

もしも、相手の心の内が瞬時にわかる人が僕の患者だあれば、どうでしょう?

例えば、親知らずの抜歯が難しく、四苦八苦している時の状況だとします。以下、僕の心の内です。

どうして抜けないのだろう?根っこが大きく膨らんでいるのかな?それとも、根っこが先の方で分かれてしまっているのか?レントゲンではどうも根っこが膨らんでいるように思うのだけど・・・。それであれば、根っこを割るか、骨を削るかだが・・・。根っこの大きさや根っこの位置を考えると骨を削った方がよさそうだ。

そうなると、抜歯後、かなり腫れるなあ。患者さんにはいつもよりも長めに薬を服用してもらうよう処方しておかないといけないし、口だけでなく、紙にも書いて念入りに説明して了解してもらわないと、後でトラブルのもとになる。本当は骨は削りたくないけど、骨を削るしかないか?

必要な器具は器具棚に置いてあったはずだな。○○さん(アシスタントの人の名前)に言って取ってきてもらおう。患者さんはずっと口を開けっぱなしだから、器具を取りに行ってもらっている間は口を閉じて休んでいてもらおう。その時には、患者さんには一言声をかけて、もうしばらく頑張ってもらうように伝えないとなあ。

それにしても、もっと簡単に抜歯できるはずだったのに、予測と実際の抜歯とは違うものだなあ。ああ、何だか肩に力が入っているのがわかるよ。こんなことでは自分が変に緊張していることが患者さんにバレバレだ。ただでさえ抜歯に時間がかかっていることがわかって患者さんは不安がっているはずなのに、俺の肩が力が入っていたら、患者さんに余計に不安を与えてしまう。ああ、どうしたことか?そんなことを思っている間に局面打開だ。○○さんに言わなきゃ・・・・。

これは以前、僕が親知らずの抜歯が上手くいかず、感じていたことを言葉にしたものですが、これが抜歯を受けている患者さんにまるわかりになれば、おそらく患者さんは卒倒してしまうかもしれません。実に頼りない歯医者なのか?と思ってしまうことは必定でしょう。

これからどんな患者さんが僕の歯の治療を受けるか想像がつきませんが、望むなら、僕の心の内を生で理解できない患者さんだけを治療したいものです。

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2008年6月24日 (火)

赤外線通信ディバイド

先週末、僕は出身大学主催の会合に参加してきました。数多くの先輩、後輩と出会ってきたのですが、皆さん同じ歯医者ということで、食事をしながら話に花を咲かせてきました。何人かの後輩とは初対面だったのでいろいろと話をしているうちに、お互いの連絡先を伝え合おうということになりました。一昔前なら自宅や診療所の電話番号を教えあうのですが、今の時代ならではというべきでしょうか、お互いの携帯電話番号、携帯メールを教えあったのです。僕自身、何人かの後輩と連絡先を交換し合ったのですが、ある後輩が僕に提案してきたのです。

「赤外線通信でやりましょう!」

皆さんもご存知だと思いますが、最近の携帯電話は、携帯電話番号、メールアドレス、写真などを赤外線通信でやり取りすることができます。僕自身、積極的に赤外線通信を利用したことはないのですが、後輩からの提案に何となく残っていた記憶を頼りに赤外線通信を利用しようとしたのですが、これが一苦労。普段慣れない赤外線通信はどこの機能を利用すればよいのかわからず試行錯誤していると、後輩が助け舟を出してくれました。

「メニューから○○を開けばできませんか?」

果たして結果はその通りとなりました。後輩の指摘した部分を操作すると、僕が赤外線通信の受信ができるようになっていたのです。そこで後輩が赤外線通信の送信ボタンを押すと、数秒して僕の画面に後輩の電話番号、携帯アドレスが転送されました。

改めて赤外線通信の便利さを実感した歯医者そうさん。これまで携帯電話番号や携帯メールアドレスは相手から教えてもらってから自分でデータを打ち込んで登録していたものですが、今ではそんな面倒なことはしないで済む。今更ながら携帯電話機能の高度化に驚かざるをえませんでした。後輩が言うには、今では携帯電話番号や携帯メールの交換は赤外線通信が当たり前なのだとか。僕も時代の流れに取り残されないために、赤外線通信の方法を後で復習しなければと思ったのです。

その後、懇意にしていた先輩K先生と話をしていたのですが、この赤外線通信の話をすると

「赤外線通信?それって一体何なの?」

僕が説明をすると、

「僕は赤外線通信にはついていけないよ。そうさんの説明はわかるのだけど、実感として何のことだかイメージが湧かないなあ。お手上げだよ。」

パソコンや携帯電話などのデジタル機器を使いこなせる人とそうでない人との格差のことをデジタルディバイドと呼ぶことがありますが、さしずめ、K先生にとっては赤外線通信ディバイドが生じているのかもしれません。

帰宅後、僕は赤外線通信の送受信の仕方を何とかマスターしました。僕は何とかギリギリ赤外線通信ディバイドにはならなくて済みそうです。

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2008年6月19日 (木)

ある歯医者を襲った突然の悪夢

今朝、眼を覚ますと時計の針は5時を過ぎたところでした。

“いつもの起床時間まではまだまだだなあ”

と思いながら何気なく舌で上の前歯の裏側を触った僕は、ある違和感を覚えました。

!アレっ!こんなところに穴が開いている!!

昨日まで何もなかったはずの上の前歯です。昨夜も鏡を見ながら念入りに歯を磨いていたつもりでした。何も問題がなかったはずなのです。歯医者である僕が自分の歯を確認して何もなかったはずなのに、起きてみたら穴が開いている!

このような場合、原因の多くはむし歯であることが多いのですが、自分が気がつかないうちにむし歯に侵されていたことが信じられませんでした。驚いた僕は、自宅の隣にある診療所まで足を運び、歯科用ミラーを使って前歯を確認してみました。すると、歯科用ミラーには大きな黒色のむし歯が見えたのです。

どうして?たった一日でむし歯になるなんてことがあるのか?

歯医者でありながら何という失態でしょう。いくら歯医者でも自分の歯に異常が生じた場合、自分で治療をすることは困難を伴います。少なくとも僕は自分の歯の治療は自分ではできません。

これは親父に診てもらうしかない。

そう思った僕は、応急的にむし歯の部分に仮封用のセメントを練り、詰めたのです。その際、何気なく噛むと、突然“ボリッ”という音が。

一体何だろう?

そう思った瞬間、僕は口の中に硬い物があることに気がつきました。口の中から出てきたものは下の奥歯でした。下の奥歯の頭の部分である歯冠だったのです。歯科用ミラーで確認してみると右下の奥歯が欠け、根っこがむき出しになっているのが見えました。根っこの周囲は黒くなっていました。明らかにむし歯が原因で欠けているのがわかりました。この歯も昨晩の歯磨き時には何も異常が見られなかった歯だったのです。

まさか?

そんなことを感じた瞬間、突然、痛みが生じてきました。無理もありません。歯冠が欠けて歯の神経が露出していましたから、痛みが出るのは当然でした。

これはたまらん!

次々と起こる口の中の異常に僕は明らかに動揺していました。そして、思わず寝室で寝ていた親父を叩き起こしました。

「歯が痛くてたまらん、何とかしてくれないか!」

眠そうな表情もしながらも、僕の尋常ではない姿に驚いた親父は直ちに診療室へ向かい、僕を診療台へ座らせました。

久しぶりに横になる診療台。普段は患者さんを上から覗き込みながら診療する立場である僕ですが、今は僕が患者となり親父の診療を受ける立場。歯の治療を受ける患者さんの不安感とはこんなものだったのか?と感じながら、親父の診察を受けていると、親父は突然僕に宣告しました。

「こんなに悪くなるまでどうして放置していたんだ!」

僕は親父の言っている意味がわかりませんでした。2本の歯が悪いだけだろうと思っていた僕に親父は

「口の中の全ての歯がむし歯になり、今にも欠けそうだぞ!」

僕は親父の持っていた歯科用ミラーで自分の口の中を確認しました。そのミラーにはつい先ほどまで大丈夫だと思っていた歯に全て黒い穴が開き、今にも欠けようとしていた光景が写っていたのです。

こんなはずでは!昨夜まで全く問題が無く、ついさっきは2本の歯だけ問題が生じていたはずだったのに、どうして短時間でこんなにひどくなっているんだ!

僕は自分の身に起きたことが全く理解できませんでした。動揺している僕を尻目に親父は

「今から全部の歯を抜歯して、総義歯にしなければ!」

親父の発した言葉に僕はパニック状態となってしまいました。どうして一眠りしただけで健康な歯を全部抜歯して総義歯になるんだ?俺は何か悪いことをしたのか?今まで患者さんの歯を抜歯し続けた天罰なのか?止めてくれ!誰か助けてくれ~・・・・・・!

気がつくと、僕は寝室の天井を見ていました。

一体これはどうしたことだ?

自分の舌で上の前歯を触ってみました。何も異常はありません。起き上がった僕は洗面所の鏡で奥歯を確かめてみましたが、何も変わったことはありません。

時計の針は5時半を回ったところでした。

もう少し寝よう。自分の歯が何の異常も無かったことを確認した僕はもう一眠りするために寝床に戻ったのでした。

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2008年6月17日 (火)

僕が結婚指輪をはめない理由

先日、ある新聞記事を見ていると結婚指輪をはめているかどうかに関するアンケートの結果が載っていました。1000人余りの男女にアンケートを取った結果はといいますと、いつも結婚指輪をはめている派は全体の45%、はめていない派は55%となっていました。結婚指輪をはめている理由として挙げられていたのは、

・既婚者であるということを相手に判らせたいこと

・夫婦のつながりを感じていたい

・結婚指輪に名前が彫ってあることで身元確認になる

・していないと紛失してしまうから

などがあったとか。

結婚指輪をしない理由としては

・仕事に支障をきたす

・年齢的に似合わない

・指に違和感がある

・結婚相手に冷めた感情をもったから

などがあったようです。

僕自身、結婚式と直後の新婚旅行以降、結婚指輪を薬指にはめたことがありません。結婚指輪はケースに入れたまま自室の机の引き出しの中に保管しています。

理由はいくつかありますが、最大の理由は僕が歯医者だからです。

皆さんご存知だと思いますが、歯医者は患者さんの口の中に手を入れて治療することが仕事です。最近は使い捨てグローブを手に装着して治療を行っていますが、一人の患者さんの治療が終わる度、グローブを処分し、手洗いしてから新しいグローブを装着して次の患者さんの治療に備えます。

患者さんの口の中に手を入れるわけですから、指輪をはめた指を患者さんの口の中に入れることは、患者さんにとって違和感を生じたり、苦痛を伴ったりします。治療によって患者さんに不必要な迷惑をかける可能性があるのです。

また、毎回患者さんの治療が終わるたびに手洗いをするのですが、指に指輪をはめていると指輪に傷がついたり、荒れたりします。やすくはない値段の指輪が仕事で傷むようなことがあっては、結婚相手に示しがつきません。

歯医者が患者さんの治療を行う時には、指輪をはめながら治療をすることはできないことなのです。

それならば、患者さんの治療中は指輪をはずし、それ以外の時は指輪をはめたらどうか?ということになります。僕の周囲の歯科衛生士や歯科助手といった女性スタッフはそのようにしていますが、僕は敢えてそれをしません。理由は簡単です。僕がだらしない性格だからです。

具体的には、はずした指輪を大切に保管する自信がないからです。常にはずした指輪をきちんとした保管箱や保管場所に置いておくことができればいいのですが、僕はちょっとした身の回りの物でもついつい紛失してしまう癖があります。無意識のうちにどこかへ置き、しばらくしてからどこに置いたか気づき、必死になって探すなんてことがしょっちゅうです。この悪い癖を直さないといけないとは思うのですが、なかなか意識しても直らないのがたちの悪いところです。

こんな自分の悪習慣を自覚しているものですから、結婚の証としての結婚指輪を日常生活で使用する自信がありません。結婚指輪を紛失してしまうようなことがあれば大変です。それならが、きちんと保管しておいていつでも取り出せるようにしておいた方がずっとまし。そんな思いから結婚して以来12年間、僕は結婚指輪をはめていません。

結婚指輪をはめている友人からは

「未だに女の子にもてたいために結婚指輪をはめないのか?」

と冗談を言われますが、僕の場合、自分の仕事上の制約と、自分のだらしない性格、面倒くさがりから結婚指輪をはめていないのです。

ちなみに、結婚指輪をはめないことに関して、嫁さんは

「私たち冷えているからねえ・・・・。」

オイ、オイ、オイ!

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2008年6月13日 (金)

歯科検診でダイエット?

昨日、午前と午後の診療の昼休み、僕は市内の某中学校へ歯科検診に行ってきました。

通常、幼稚園、小学校、中学校、高校には学校歯科医がいます。毎年6月30日までに行わなければいけない定期健康診断。この定期健康診断の一環として行う歯科検診は学校歯科医が行うことになっていますが、人数が少数の学校であれば問題ないのですが、大人数の学校となると全生徒を一度に歯科検診を行うことは不可能です。学校歯科医が何日間か分けて検診を行うか、応援の歯科医の協力を得て、学校歯科医を含めた複数の歯科医師の協力のもと、一日で全生徒の歯科検診を行うことになります。僕が住んでいる地元市では、市内の幼稚園、小学校、中学校、高校へは地元歯科医師会が手配をし、学校歯科医に協力歯科医を応援に行くようなシステムとなっています。僕も自分が学校歯科医を行っている小学校だけでなく、他の市内の学校の歯科検診にも出かけることになっており、昨日の午後がその日に当たっておりました。

当地では昨日は気温もさほど高くなく、適度な風も吹いていたために非常に過ごしやすい日ではあったのですが、歯科検診はそうではありませんでした。その訳はいくつかありました。

一つは検診会場が体育館だったことです。検診は数人の検診医が一度に複数のクラスの検診を担当することになっていたのですが、複数のクラスとはいえかなりの人数の生徒を一同に集める場所は体育館しかありませんでした。この体育館、立地条件の問題でしょうか非常に風通しの悪い場所にあり、窓を開けていたとはいえ座っているだけで汗が出てしまいそうな状態でした。

しかも、検診対象者は中学生です。非常に元気で活発な中学生です。元気ハツラツ、体から大量のエネルギーを発散していることは容易に想像がつくことだと思います。そんな彼ら、彼女らが体育館とはいえ集まってくるのです。元気な中学生が大勢集まった時の集団のエネルギーは相当のもの。見ているだけで暑くなってきそうな状態でした。

そんな彼ら、彼女らを検診する際には、必ず近くに寄って検診をします。何せ口の中を調べるわけです。近くにライトがあるとはいえ、通常の診療所のチェアライトとは異なり、かなり暗い状態で検診を行います。暗い口の中を見るわけですから、どうしても検診医は中学生に近づいて検診を行わないといけません。ただでさえ元気一杯の中学生に近づいての検診。まるで初夏でありながら湯たんぽを抱えながら検診をしているような感がしました。

上記のような条件で検診をしていたものですから、検診開始数分程度で全身は熱く、汗ばんできました。検診の際にはグローブを着用しているのですが、グローブの中は早々に汗だくとなり、グローブからは汗が滴り落ちてくる始末。検診の合間に何度かグローブを脱ぎ、手を洗い、交換しないといけない羽目になってしまいました。

検診は二時間半ほどで無事終了したのですが、終了時には全身汗ばみ、グローブをつけていた手のひらは汗のためふやけておりました。まるで何かの運動、エクササイズをした後のような感覚。検診終了後、用意されていた500cc入りのペットボトル入りお茶を一気に飲み干してしまうくらい咽喉がカラカラになっておりました。

「う~ん、これだったら運動をしなくても検診をするだけでダイエットすることになるなあ。毎日検診しようかしら?」

一緒に検診をしていたメタボ体型の同僚の歯科医は思わず笑いながら、額にかいた大量の汗をタオルで拭っておりました。

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2008年6月 9日 (月)

自費治療がうれしい理由

先日、ある患者さんの自費治療の補綴物がセットになりました。補綴物というのは、被せ歯やブリッジ、入れ歯といったものの総称のことです。何をセットしたかどうかを書くことは控えますが、僕自身、非常に満足のいく出来の補綴物であり、何よりも患者さん自身が満面の笑顔で補綴物の状態を褒めて下さったのです。

自費治療というのは保険治療とは違い、歯科医院ごとに自由に治療費を設定することができる治療のことを言います。保険治療のように定められた治療手技に定められた治療費が設定されているわけではなく、診療を行う歯科医の裁量で自由に治療費が決められるのです。

自由に決められるといってもそれなりの根拠はあります。治療にかかる様々な経費、光熱費や材料費、スタッフの人件費、補綴物を作る歯科技工士への技工料などが含まれます。また、歯科医院が地域の物価に左右されることもあります。中でも最も大きいのは歯科医師の技術料ではないでしょうか?歯科医師がこれまで培ってきた技術、知識、経験を技術料として設定するのです。同じ補綴物でも各歯科医院の自費治療で値段設定が異なるのは、この技術料が大きなウェートを占めているといってもいいでしょう。

僕の補綴物の自費治療の治療費は、これもここでは書くことは控えますが、それほど値段が高いものであるとは思いません。多くの歯科医師が設定する自費料金の平均かそれ以下ではないかと思いますが、少なくとも同じ治療の保険治療費よりは高いのは確かです。

この自費治療を勧めるのはどういった時か?いくつかの場合がありますが、保険治療と比べ明らかなメリットがあることが大きいですね。若干治療費はかかるけれども、自費治療をすることによって患者さんが得られる満足度が保険治療と比べ格段に大きいと考えられる場合です。

昨今の物価上昇のおり、懐具合に余裕のある人は限られているのは現状だと思います。僕自身、患者さんが得られる満足度と経済的負担を考慮しながら、自費治療を勧めるのが普通です。決して患者さんに無理強いはしませんし、逆に患者さんが自費治療を希望しても、自費治療によるメリットが得られないと予想される場合には、僕はむしろ保険治療を勧めます。

正直言って、僕の自費治療は他の歯科医院よりも少ないです。いつも世話になっている税理士さん曰く、

「先生の自費治療収入は他の歯科医院に比べてかなり少ないですなあ。」

これが良いことなのか悪いことなのか自分では判断できませんが、数少ない自費治療であるが故、たまの自費治療で得られた結果には歯医者として非常にうれしいものがあります。何事も金勘定で決めることは良いことだとは思いません。ただ、患者さんにかなりの経済的負担をお願いしながら得られた結果、患者さんの満足を得られた場合、歯医者冥利に尽きるところがあるのも事実です。

さて、今回頂いた自費治療の収入の行方ですが、様々な経費に消えていくことになりそうです。特に今月はうちの歯科医院にとってスタッフのボーナス月。ボーナスはスタッフにとって待ち遠しい月ではありますが、零細弱小歯科医院を経営する者としてはいつも頭の痛い月であります。いつも青息吐息の歯科医院経営を行っている者として、今回のボーナスをどのようにやりくりして費用を捻出しようかと考えていたのですが、自費治療の収入により何とかめどがたちそうです。

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2008年6月 3日 (火)

美人の歯の治療は緊張しないのか?

「有名な政治家や社長、美人女優の歯の治療をして緊張しませんか?」

先日、ある知人から尋ねられた質問です。歯医者をしていると、たまに周囲からこの手の質問を受けることがあります。それに対し、僕はいつも同じ答えを言います。

「例え有名人が患者さんであったとしても、歯の治療は緊張しませんよ。」

僕自身、非常にミーハーな人間です。自分の目の前に有名人が出現すれば非常に緊張してしまう性質です。もし、自分の前に好みの美人女優がいようものなら、それこそ宙に浮いてしまうが如く、地に足がつかなく、浮ついた感じになることは目に見えています。

けれども、歯の治療となると状況は異なります。なぜなら、僕にとって歯の治療とはどんな人でも変わりのない、差別できないものであるからです。

歯科医院に来院する患者さんは歯や口の中に何らかの症状、悩みを持って来院されます。最近では、症状はないけども、歯の健康維持のための定期検診、メインテナンスに来院する患者さんもいますが、歯や口の中のことが気になっているという点ではどの患者さんにも共通です。そんな患者さんに対し、自分の出来る限りの知識、技術をもって答えるのは歯医者の仕事であり義務です。僕は、自分の治療そのものや治療結果に対しては緊張しますし、気になりますが、目の前の患者さんに対しては誰であろうと気になりません。どんな有名人であっても、友人、知人であっても、親族であっても患者は患者。口を開けてくれれば、患者さん個人のことは全く気になりません。

と格好良く書いていますが、実際のところ、治療中は患者さん個人のことまで気がまわらないのが正直なところです。患者さんの悩みや症状を少しでも緩和したい、治したい。そのために治療には専念するのですが、治療に集中していると患者さんの口の中のことには気がまわっているものの、患者さん自身のことは忘れてしまっているのです。結果として、患者さんが有名であったとしても何も気にせず治療をすることができるわけですね、ハイ。

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